西脇 勇望さん

理科の楽しさや魅力を次代のこどもたちに伝えるやりがいのある仕事です

西脇 勇望さん

大阪市立大学大学院 理学研究科 生物地球系専攻 前期博士課程修了 洛陽総合高等学校 教諭

実験や体験を大切にした授業を実践

2021年4月から京都市にある洛陽総合高等学校で、理科教員として1、2年生を担当しています。高校生の頃から教員になることが夢で、進学の際も理科の教員免許が取得できる学部学科ということで、大阪市立大学理学部地球学科を選びました。
私自身が感じた理科の楽しさや魅力を伝えたいと思い、理科が苦手な生徒にも興味を持ってもらいやすいよう、実験や体験を多く取り入れた授業づくりを実践しています。先日は、教職の授業で学んだ「ペットボトル顕微鏡」をアレンジして、透明なビー玉と画用紙、アクリル板で顕微鏡をつくり、塩の結晶を観察する実験を行いました。簡単な材料ながら100~200倍に拡大して見ることができ、生徒たちの反応も上々でした。学習内容に応じた実験をほぼ毎週準備するのはかなり大変ですが、大学時代の授業ノートはアイデアの宝庫。折に触れては見返しつつ、授業計画の参考にしています。今後は、地球学科に入学して初めての実習で行った「地図づくり」にもチャレンジしたいと計画中です。

教壇に立つ西脇さん

いつかまた生徒と一緒に研究がしたい

今は教壇に立つだけで精一杯ですが、いつかまた教員をしながら研究活動もできればと考えています。修士論文では「上町断層・生駒断層の姿勢(傾斜)の違いによる断層活動の評価」がテーマでしたが、次は生徒と一緒にフィールドに出たり、データ分析をしたり、彼らの柔軟な発想を引き出しながら新たなテーマの論文に取り組んでみたいです。研究を行うことで、教える幅も広がるでしょうし、生徒たちの成長を見守りながら自分自身も成長していきたいと思います。

多彩なフィールドワークが地球学科の魅力

地球学科は、地質系の勉強ができる数少ない学科だと、高校の地学の先生に薦めていただきました。入学後、初めてシラバスを見たとき、こんなに多彩な授業が受けられるのかとワクワクしたことは今も忘れません。1年次からフィールドワークも多く、体験を通して学ぶことの楽しさや大切さを身をもって感じました。私が高校での授業計画で実験を重視しているのは、大学での豊富なフィールドワーク経験が原点になっていると思います。
また、野外での調査・演習は体力的にきつい面もありましたが、学生同士の距離を一気に縮めてくれます。地球学科の同級生は、進路はさまざまですが今も連絡を取り合っており、教員以外の視点から貴重なアドバイスをくれる大切な仲間です。新大学になっても、こうしたアットホームな雰囲気は受け継いでいって欲しいです。

仲間と西脇さん

壮大な地球の歴史を読み解くワクワク感を味わって

地球学の魅力は、自然のロマンを感じられることだと思います。昔はこんな生物がいたとか、何万年前に大地震があったとか、壮大なスケールの物事を読み解くワクワク感は何物にも代えがたいものです。そのアプローチ方法はさまざまで、生物学や物理学、化学、数学など複数の分野をまたにかける面白い学問です。地学に興味がある人はもちろん、自然科学が好きであれば、きっと興味あるテーマが見つかるはずです。地球学科では少人数制の手厚い指導で、学部生のときから深い学びができるので、ぜひ自分が夢中になれる学びを見つけてください。

西脇さんインタビューシーン

洛陽総合高等学校ってこんなところ

洛陽総合高等学校は、京都市内唯一の総合高校です。生徒一人ひとりの能力や個性に応じた教育が重視される中、将来を見据えたきめ細やかなキャリア教育を展開しています。
1年次では基礎知識と社会について学び、将来への多様な選択肢に触れながら、進路への理解を深めていきます。
2年次からは総合進学、情報メディア、情報ビジネス、感性表現、調理製菓、保育の6つの系列から、将来の夢や進路に合った系列を選択します。それぞれの系列には、学びたい気持ちに応える多様な選択科目が用意されており、「自分だけの時間割」を作ることができます。
生徒の多様な進路選択に対応し、一人ひとりの自己実現をサポートする学校として社会への貢献を目指しています。