笠松 真吾さん

ミクロからマクロまで。
多様な専門分野に触れたことをきっかけに研究者の道へ

笠松 真吾さん

大阪府立大学 大学院理学系研究科 博士後期課程修了(2014年3月卒) 大阪府立大学 テニュアトラック助教 博士(理学)

個性的な学生が集まることを期待し、
大阪府立大の第1期生として入学

子供の頃から生命現象に興味があったので、大学では専門分野の広い生物学科を専攻し、自分が本当にやりたいことを見極めたいという思いがありました。そんな時、目に止まったのが、旧大阪府立大学と大阪女子大学、大阪府立看護大学の統合により誕生した公立大学法人 大阪府立大学でした。ちょうど入学年度が初年度になるということで、個性的な学生が集まってくるのではという期待もあり、2005年に大阪府立大学の第1期生として入学し、博士後期課程修了までの9年間を過ごしました。
3回生までは体育会サッカー部に所属し部活動に明け暮れる毎日で、お世辞にも良い学生とは言えませんでしたが、居原 秀先生の研究室に配属されてからは研究にのめり込み、研究室で寝泊まりするほどでした。特に、同じ学部学科で、部活、研究室も一緒だった同期の友人とは、9年間という長い大学生活をともに過ごし、今はお互い研究者となって良い刺激をもらっています。そんな親友と出会わせてくれた大学にはとても感謝しています。

笠松さんインタビューシーン

アメリカでの研究生活を通じて、
視野が広がりました

生物学は多種多様な生物の生命現象をミクロとマクロの視点で研究する学問なので、先生方の多様な専門分野に触れることができたのは、研究者をめざす良いきっかけとなりました。大学院卒業後は、生物学研究者として東北大学で3年、アメリカのボストンで2年勤めたのち、2019年に大阪府立大学に戻ってきました。
ボストンではハーバード大学系列の病院に勤めていましたが、サイエンスとしては自分の主張が正しいはずなのに、英語で上手く伝えることができずに悔しい思いをしたこともありました。でも、大学時代に大阪で鍛えられたおかげか、不思議と物怖じはしませんでした(笑)。さまざまなバックグラウンドを持った研究者が世界中から集まっていたので、自分とは全く異なる感覚の研究員もいて、結果ひとつに一喜一憂せず、ポジティブに前進していく彼らの姿勢は新鮮で、視野が広がりました。
現在は、居原 秀先生の共同研究者として、感染・炎症病態やアルツハイマー病などにおける病理メカニズムを調べたり、小型哺乳動物の冬眠における細胞内の酸化還元(レドックスシグナル)の制御バランスを見極め、そのシグナルについて調べるといった研究を行っています。ほかに、学生の実習も担当していますが、指示やアドバイスはできる限り細かく伝えるように心がけています。

笠松さん研究室

新大学にはエネルギーに満ち溢れた学生が入学してくれると期待

大阪府立大学の第1期生として入学した頃は、生徒も先生も手探りの状態でしたが、一緒に良い大学をつくっていこう!という情熱に満ちていました。大阪府立大学と大阪市立大学の統合により誕生した新大学は、これまでにない規模となることから、私が体験したよりももっとエネルギーに満ち溢れた学生が入学してくれると期待していますし、私たち教職員も努力し、より良い大学をつくっていきたいと考えています。

笠松さん白衣

笠松さんインタビューシーン2

大学では自らの興味・関心に従って、
日々の生活をデザインする

大学では、自らの興味・関心に従って日々の生活をデザインすることができます。多様な生命現象を様々な視点で研究する生物学という学問では、私たちの身の回りの不思議や未知の事象を発見するアンテナと、その疑問を探究・解析する術を身につけることができます。受験生の皆さんには、自分の興味があることに触れられるような大学を選んでほしいですし、それが大阪公立大学だととても嬉しいです。

笠松さんインタビューシーン3

新大学 大阪公立大学ってこんなところ

2022年4月、大阪市立大学と大阪府立大学を母体に新たに誕生したのが大阪公立大学です。新大学は、幅広い学問領域を擁する、学生数約1万6千人の全国最大規模の公立総合大学になります。規模を拡大しつつも、これまで同様、学生と教職員の自由闊達な環境で教育を行います。また、基幹教育と高度な専門教育を有機的に結び付けた複眼的視点を持って、あらゆる問題を俯瞰的かつ直観的に見通す力を培うことで、グローバルに活躍できる高度人材を育成します。
大阪から日本・世界の成長を牽引する大学となるよう、学生・教職員が一丸となってこの新しい大学を創っていきます。