お知らせ

2025年9月26日

  • 研究

文部科学省が公募する「令和7年度宇宙航空科学技術推進委託費(航空人材育成プログラム)」に採択されました。

東京大学大学院工学系研究科 航空宇宙工学専攻 今村研究室(今村太郎教授)を中心に、Chiral株式会社(取締役 梅田 耕嗣 氏)、大阪公立大学(工学研究科 航空宇宙工学分野 佐々木大輔教授 および 小木曽望教授)東京都立大学(システムデザイン研究科 航空宇宙システム工学域 金崎雅博教授 )と共同で取り組む研究課題「クラウド型流体解析シミュレーション環境を活用したDX推進型航空技術者育成」が、文部科学省が公募する令和7年度宇宙航空科学技術推進委託費に採択されました。

本事業では、航空産業におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)推進の起点として数値流体力学(Computational Fluid Dynamics, CFD)を取り上げ、航空工学とデジタル技術を統合的に理解する次世代の航空技術者の育成を目的としています。

具体的には、仮想空間を活用した設計・解析・最適化を自ら実践できる人材を育成し、航空産業におけるDX推進の基盤を形成します。

そのために、クラウドベースの学習環境を整備するとともに、ルーブリック評価を導入することで、場所や環境に依存せず継続的に学び成長できる教育モデルを確立します。これにより、将来の航空技術を支える人材を持続的に育成することを目指します。

また、東京大学で開発されている階層型直交格子流体解析プログラム UTCart をはじめとする国産のシミュレーションツールを積極的に活用することで、日本独自の技術力を強化し、次世代エンジニアの育成に貢献します。

さらに、流体解析に留まらず構造解析や最適化分野への応用拡大も視野に入れ、日本の航空宇宙産業が世界を牽引する意識を醸成し、国際競争力の向上に寄与してまいります。 

 

東京大学大学院工学系研究科 航空宇宙工学専攻について:
本専攻では、航空機や宇宙機を対象として、流体力学・構造力学・制御工学・推進工学などの基盤理工学を軸に、データサイエンスやサステナビリティ工学、ロボット工学などを統合した教育/研究を行っています。4つのキャンパス(本郷・駒場・柏・相模原JAXA宇宙科学研究所)の教員が支え、幅広い専門知識と実践的技術開発能力を有し、未来の航空宇宙分野をリードする革新者の育成を目指しています。
https://www.aerospace.t.u-tokyo.ac.jp/

大阪公立大学工学部航空宇宙工学科・工学研究科航空宇宙工学分野について:
航空機やロケット、人工衛星といった航空宇宙システムを総合的に学び、人類の持続可能な発展と地球環境の保全に貢献する技術者・研究者を育成することを目標としています。カリキュラムは、数学や物理学といった基礎科目から始まり、流体力学、材料力学、熱力学などの専門科目を段階的に学び、実験や演習を通じて実践的なスキルを習得します。

https://www.omu.ac.jp/eng/aero/

東京都立大学システムデザイン学部 航空宇宙システム工学科について:
航空機、ロケット、人工衛星といった航空宇宙システムの創造、設計、製造、そして社会での活用を総合的に探求する学科です。豊富な実験装置と幅広い分野をカバーする教員陣を擁し、学生が工学的な問題を総合的に捉え解決する能力を身につけられるよう指導しています。また、宇宙航空研究開発機構(JAXA)などの外部機関と連携し、専門的な講義や指導も提供しています。
https://www.tmu.ac.jp/academics/sd/aerospace.html

Chiral株式会社について:
計算研究を主流にするというミッションを掲げ、コスト、複雑さ、専門知識の要件により、研究者は計算手法の潜在能力を十分に活用できず、科学の進歩が制限されているとう課題解決に取り組んでいます。本プログラムにおいてクラウド基盤を開発し、対象となるアプリケーションを統合します。
https://www.chiral.one

事業の詳細について:
文部科学省ホームページをご覧ください。
https://www.mext.go.jp/a_menu/kaihatu/space/jigyou/detail/1347482.htm#r06