太田 正哉 先生

あらゆる分野に情報力で挑む学際情報学

太田 正哉 先生

オオタ マサヤ

情報学研究科・学際情報学専攻・教授/学際情報学専攻長(兼 就職担当)
(現代システム科学域・知識情報システム学類・教授)

AIを用いた次世代通信方式やQRコード画像処理に関する研究

私は現在大きく2つのテーマについて研究しています。1つは次世代通信方式6GやIoTに関する研究です。スマホやWi-Fiの無線通信では広い周波数帯域の電波を使いますが、快適に使える電波の帯域には限りがあるため有効活用する必要があります。そこで、AI(人工知能)を用いて電波にのせる信号波形を工夫し、帯域の利用効率を良くする研究をしています。

もう1つはAIを用いたQRコードの認識率改善に関する研究です。物流倉庫では荷物を仕分けするためにQRコードを利用しています。しかし、照明の位置が悪いとQRコードに暗い影や強い反射が生じて認識できません。そこでAIを用いて、これらを除去する画像処理手法を開発しています。この技術によりQRコードの認識率が改善し、作業が効率的になります。

さまざまな業界から注目される情報人材

高度な知識や技能を持つ情報系の学生は、情報技術を専門とする企業はもちろん、電気・通信・自動車・機械・インフラ、金融・コンサルティング、医療・教育・行政などありとあらゆる業界から注目されています。その業界の広さは他分野よりはるかに広く、そのため自分に適した企業を見つける難しさがあるのも事実です。そこで、本大学院 情報学研究科 学際情報学専攻では、就職サポートの一環として本格的な就活が始まる前に「業界研究セミナー」を開催し、各業界を代表する企業から担当者を招き、自社がめざす情報システムへの取り組みや、業界の実情についてお話しいただく機会を設けています。このセミナーで志望する業界を絞ることで、自分に適した企業を見つけやすくなります。

異分野と情報分野の二刀流が新しい未来を開く

現在、大学(教授)と会社(代表取締役)の2つの仕事場を持つ私は、学生の頃からさまざまな人から情報システムの制作を請け負っていました。ある時は宅配ピザのPOSシステムだったり、ある時はデータベースのスクレイピングだったり。一方、当時の私の研究は、今大流行中のAIで、第2ブーム真っ只中でした。結局、当時のAIはまだ未熟で活用する場面はありませんでしたが、目の前の課題と情報の先端技術の両方を理解してこそ真に実用的なシステムが作れる、という実感は昔も今も変わりません。

学際情報学専攻の“学際”とは、異なる分野どうしが交わる場。異分野の課題を理解し、最先端の知識と技術で解を見つけられる人材が未来を切り開くと信じています。

※所属・内容は2023年度のインタビュー時点のものです。