生方 誠希 先生

データを自動分類する「クラスタリング」を研究

生方 誠希 先生

ウブカタ セイキ

情報学研究科 基幹情報学専攻・准教授
(工学部 情報工学科・准教授)

高性能な「コンテンツ推薦システム」を設計

ECサイトや動画視聴サイトでは、「おすすめ」機能=推薦システムがあります。この推薦は、ユーザーの購買や視聴の履歴をひとつずつ確認して行うわけではありません。ユーザーの嗜好などを一定のルールでグループ化すると、グループ内で人気の商品を推薦することができます。この自動分類に必要な技術が、私の研究する「クラスタリング」です。

現実には、対象をAかBのどちらのグループに入れるか判断しにくいことがあります。この様なきれいに割り切れない状況に対し、私は不確実性を扱う「ラフ集合理論」からアプローチしています。実際のデータを使った検証では、私の考案した手法が従来の手法よりも高い推薦性能を示しました。さらなる精度向上を研究中です。

「曖昧さ」を扱うからこそ、論理的思考を大切に

人間情報システム研究室は、人間の持つ曖昧さや柔軟性等の複雑な事象を扱います。だからこそ、事象の背後にある要素をひとつずつ論理的・数理的に捉え、0から1の部分を深く理解してほしいです。加えて、人間が育んできた歴史・文化・言語に関する知識と探究心も、ソフトコンピューティングの追究には欠かせないものです。

私のプログラミングとの出会いは、「ゲームを作るゲーム」でした。子どもの頃から理系思考でしたが、絵画や工作など創造活動も好きで、探究して創造する現職の原点かもしれません。創造的な活動には“つまずき”もつきものです。本研究室では多くの学生が国際会議(学会)での発表を経験しますが、成功はもちろん、少なからずの失敗も糧にしながら、能動的に学んでいってほしいと願っています。

※所属・内容は2023年度のインタビュー時点のものです。