阿部 祐来 さん

ヘルスケアをサポートするIoTを構築

阿部 祐来 さん

アベ ユウキ

情報学研究科 学際情報学専攻・博士前期課程2年
(シャープ株式会社 内定(2023年度))

スマートウォッチで、生体データを健康管理に活用

世の中には多種多様な健康管理アプリがありますが、多くの人は長続きせず、利用を止めてしまいます。その原因はアプリを立ち上げ、運動や睡眠等のデータを自ら入力する手間が面倒だからです。そこで私は、生体データを自動取得できるスマートウォッチに注目。手間を省きつつ、健康管理ができるしくみを研究しています。

スマートウォッチからは、睡眠時間や睡眠中のレム睡眠の割合、消費カロリー等が取得できます。このデータが自動でスマホに毎日送られ、装着を忘れるとbotが警告も行います。現在β版が完成し、研究の倫理審査*1も受け、さらに本格的な実験を行い、より使いやすく続けやすいアプリを追究していきます。

技術職として、「健康経営」のしくみを開発したい。

研究室のテーマは、「健康と情報から社会に役立つしくみをつくること」です。学士課程(現代システム科学域 知識情報システム学類)の2年次生の時に真嶋教授の授業を履修し、その後、2019年に発生した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)で健康を見直す機会となり、さらに大学院に進学して学びたいと思いました。コロナ関連のニュースで人間の命や健康、さらには医療現場の厳しい状況を目の当たりにして、私自身さらに専門知識を高めて、自信を持てる研究をして就職活動に臨みたいと大学院進学を決意しました。

真嶋先生の指導と、学生生活では大学祭実行委員として培った社会常識やマナーが実を結び、学校推薦で電器メーカーから内定をいただくことができました。様々な企業の「健康経営*2」を実現する技術を提案したいです。研究の集大成としては、ローマで開催される国際会議(学会)での発表に挑戦すべく準備中です。博士前期課程の修了までの間、しっかり研究に打ち込めるこの貴重な日々を大切にしたいと思っています。

*1 研究の倫理審査……被験者の人権擁護・個人情報保護のため、人を対象とする生命科学・医学系研究の研究計画を審査するプロセスのこと

*2 健康経営……企業が従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践すること

※所属・内容は2023年度のインタビュー時点のものです。