加藤 正元 さん

情報技術を駆使して人々の生活を豊かに

加藤 正元 さん

カトウ マサハル

情報学研究科 学際情報学専攻・博士後期課程2年

AIを導入した建築積算監理業務の効率化基盤システムの構築

建築分野のICT化が進む中、建築積算(建設工事に必要な費用を事前に算出する業務)監理の自動化は困難で、膨大に存在する過去の工事案件を手作業で調べているのが現状です。そこで積算業務に用いる積算データに焦点を当て、建設案件の複雑な構造をふまえ、多岐にわたる情報を瞬時に選択できる複数の人工知能技術を用いた作業効率の革新を目指しています。現在、既に行政機関で運用されており、意見交換を重ねながらバージョンアップに努めています。この研究で、2023年2月に一般社団法人地域建設業未来研究会(CCA)が主催、国土交通省、株式会社日刊建設通信新聞社が後援する「CCA Startup Conference(最先端のスタートアップがビジネスアイデアを披露するイベント)」の「CCAプレゼン賞」を受賞しました。将来は業務を効率化する部分の数値計算的な手法の研究を進め、起業をめざしたいです。

研究にひたすら向き合う情熱がドクターへの道を開く

大学4年間のその先の進路として、大学院の博士前期課程に進学したことで、より研究分野の奥深さを感じることができました。大学院進学のメリットだと言えます。次々と課題が浮き彫りとなり、簡単にゴールできないことがわかって俄然やる気になりました。博士後期課程(ドクター)への進学理由もさらに研究を極めたかったから。大阪公立大学の大学フェローシップ創設事業の制度活用により、生活面や論文投稿・学会出席などの費用がサポートされるので、不安なく研究に打ち込んでいます。大学院進学の受験準備では英語に注力しました。私の場合は、関連のある研究分野の英語の文献を読むことで英語力もある程度、身に付けることができました。大学院は、なりよりも自らの意思で自発的に研究できるのが醍醐味です。研究に打ち込んだ経験は社会人になっても必ず役立つと思っています。興味のある方は、是非、大学院の進学を検討してみてください。

※所属・内容は2023年度のインタビュー時点のものです。