木下 貴登 さん

研究の奥深さに魅了されドクターの道へ

木下 貴登 さん

キノシタ タカト

情報学研究科 基幹情報学専攻・博士後期課程1年

人間の意思決定をサポートする多目的最適化アルゴリズムの開発

「工業設計や政策決定などの“実生活”における多目的最適化問題の特徴分析およびアルゴリズムの開発」が研究テーマで、進化計算という方法を用います。AIの一種である進化計算は、生物が進化してきたメカニズムを模倣した最適化アルゴリズムです。現在は河川汚染問題に取り組んでいて、今後、研究範囲も広げていきたいと考えています。都市および工場はそれぞれの水処理施設で浄化処理を行いますが、河川の美化と引き換えに費用負担増などの課題が浮き彫りになります。そこで水質を保つための最適解を進化計算で求め、複数提示された選択肢から最終的に人間が選び、詳細を詰めて解決策として採用します。おおまかな傾向の理解を促し、人間の最終的な意思決定を補助することが多目的最適化アルゴリズムの役割です。

フェローシップ制度の充実により、安心して研究を継続

ゲームのためにプログラミングを覚え、パソコンを自作しサーバーを構築するような中学生でした。そこから大学進学は、大阪府立大学 工学域 電気電子系学類に入学。大学では、さらに大学院進学する先輩が多い環境だったこともあり、研究を継続したいと思いました。情報学研究科は就職先に恵まれているため、博士前期課程修了後に就職する学生が多いのですが、私は研究が楽しくて博士後期課程に進みました。大阪公立大学はフェローシップ(博士学生支援事業)制度が充実しているので、経済面の不安もなく研究に打ち込めています。学士課程の4年間だけでは研究できる時間は限られていますが、自らの課題やテーマを持って、研究をやり遂げたいなら、大学院へ進むべきです。ちなみに学会発表や論文作成での経験は就活のエントリーシート作成にも役立ちますよ。

※所属・内容は2023年度のインタビュー時点のものです。