連携のポイント

連携のコツ

パートナーの方の募集に対して、学生が積極的に参加してもらえるようにするためには、そのボランティア活動を魅力的なものとして捉えてもらう必要があります。ここでは、学生に対して何を伝えれば学生の心をつかめるのかをご説明します。

活動の背景や目的を学生に伝えること


有効な募集を行うために最も重要なことは、学生がその活動に関してよく知ることができるようにすることです。ボランティア自体の作業内容だけではなく、その背景にある状況や、ボランティアを募る目的をしっかりと説明することが重要です。

普段どのような活動をしているのか

ご自身もしくはご自身の団体が行っている活動がどのようなものかということです。どの程度の頻度で、どこで、何人程度で、どのような目的の下で、何を行っているのかなどを説明することにより、学生がその活動に興味を持つことにつながります。現在までに活動実績のない、これから企画したい活動であっても、計画や目的を具体的に示すことで興味を引き付けます。

活動の魅力は何か

その活動にある魅力を分析し、それを説明することです。例えば、「自然環境と多く接することにより、都会の喧騒を忘れ、自然を強く感じる貴重な機会になる」「メンバーがそれぞれ役割分担することで、一人ひとりが全体に貢献できるという実感を得られる」「語学やプログラミングなど、使える人が限られる能力を駆使することで、オンリーワンの働きができる」といったものです。ご自身の経験に基づき、活動の醍醐味を振り返ってみるのが良いでしょう。

なぜボランティアが必要なのか

その活動にとって、ボランティアがどのような意味を持つのかということです。このことを説明することで、学生はその活動にとってボランティアが欠かせないものであるということを理解できます。

どのようなことが得られるのか

その活動に参加することで、どういった成果を得られるのかということです。後述するように、学生にとってボランティアは単なる慈善活動とは限らないこともしばしばあります。そのような時にも、学生にリターンがあることが示されれば、ボランティア先と学生の双方にメリットがあることになり、より積極的に参加する動機付けになります。



全体として、学生にとってのボランティア先への理解が重要であると言えます。ボランティアセンターでは、「学生がただ参加しているだけ」にならないよう、学生の興味関心に基づいてマッチングを行っています。そのため、ボランティア先が学生の目に魅力的なものとして映れば、よりやる気のある学生が集まりやすくなり、双方の利益につながります。

学生の特徴

次に、V-stationにおける学生の特徴を挙げます。これらの特徴を踏まえて、よりよい募集のお役に立てたらと考えています。

動機は一つではない

よく、「ボランティア=慈善活動」という捉え方をされることがあります。もちろん、純粋に困っている人の力になりたいがためにボランティアに励むという人もいます。しかし、すべてのボランティア参加者が単なる慈善目的であるとは言えません。
例えば、楽しむために活動に参加する人もいます。社会に貢献しつつ、自分や仲間が楽しむことを目指しています。
また、社会学習の一環として参加する人もいます。ボランティア活動を通して、自分の知らなかった文化や社会の側面を体験したり、社会問題についての理解を深めたいと思っている人です。
さらに、自身の経歴を作るために参加する人もいます。就職活動において、ボランティア経験を履歴書に記入したり、ボランティア活動歴によって単位認定されたりといったように、経歴上有利になるという理由でボランティアに参加することがあります。
いずれも正誤や優劣があるものではなく、それぞれがボランティアへの姿勢の一形態です。

仲間づくりをしたい人も多い

ボランティアを通して、新しい仲間を作りたい、もしくは友人とより親交を深めたいと思っている人も多くいます。例えば、V-stationに所属している人同士が同じボランティアに参加し、そこでの活動を通して互いを知り合い、親しくなることを目指している人もいます。

また、ボランティア先でお世話になる人と交流するのが醍醐味である人もいます。その場合、世代が離れていても、世代差に起因する価値観や認識のズレ、いわゆるジェネレーションギャップをむしろ肯定的に受け入れるということもあります。

社会について「知りたい」人も多い

上でも取り上げましたが、ボランティアを通して単に人の役に立つというだけではなく、社会についての知識を取り入れたいという人も多くいます。普段の授業やサークル活動、ニュースなどだけでは見えてこないような社会の一面(地元の街づくり、身近な環境問題など)を知ることで、好奇心が刺激されるためです。社会における事象を単に知るだけではなく、活動を通して実際に体感することによって、より印象的に、詳しく知ることができます。

例えば、伝統文化を形作るために必要なものを制作するといった作業により、その文化の概要だけでなく、参加しないと見えてこない苦労や工夫の余地も理解することができます。