研究科長/学科長挨拶

知の拠点から未来をひらく
リハビリテーションの最前線へ

研究科長/学科長 横井 賀津志

研究科長/学科長 横井 賀津志

 

日本は、世界有数の長寿国として知られています。人々が健やかに人生を謳歌できる「健康長寿社会」の実現に向けて、保健・医療の分野では、医療技術の高度化と並行して、地域包括ケアの充実が進められています。こうした社会的ニーズに応える高度な専門職として、リハビリテーション専門職である理学療法士および作業療法士は、急性期から在宅に至るまで、さまざまな場面でますます重要な役割を果たしています。

リハビリテーションは、子どもから高齢者、障がいのある方、スポーツ選手に至るまで、ライフステージを通じて多様な対象に支援を行う専門領域です。予防や生活支援も含めて、その人の人生に寄り添い、ともに歩む姿勢が求められます。

大阪公立大学は、高度研究型大学を目指し、次代を担う医療専門職の育成に力を注いでいます。私たちリハビリテーション学科・研究科では、「科学的根拠に基づくリハビリテーション実践能力」と「科学的根拠を生み出す研究能力」の双方を、学生の皆さんが修得できるよう、教育体制を整えています。

2025年秋に本格稼働する森之宮キャンパスには、最新の評価・治療機器を備えた実習室や、開放的で創造的な学修空間を集約しました。学内外における臨床、研究、地域連携を一体的に経験できる環境のもとで、知識を実践の中で確かめ、振り返り、改善していく——このような「学びの循環」を通じて、臨床能力と研究志向の両面を高めることができます。

そして何よりも大切なのは、リハビリテーション専門職として、目の前の患者さんや障がいのある方々の尊厳を守り、ともに歩む姿勢です。私たちは、保健・医療の専門職としての「熱いハート」を大切に育むことを、教育の根幹に据えています。

大阪の新たな知の拠点である森之宮キャンパスで、未来のリハビリテーション学をともに切り拓く皆さんと出会える日を、教員一同、心より楽しみにしています。