特徴的な研究事例

リハビリテーション学科 理学療法学専攻/大学院リハビリテーション学研究科 理学療法学領域の研究紹介

「人」のパフォーマンス向上を目的とした研究

教授 岩田 晃

人はそれぞれの生活の中で必要とされる能力が異なります。例えば、スポーツ選手は速く走ることや、高く跳ぶことなどハイレベルな運動パフォーマンスが必要とされ、一方、高齢者は安全に動作することや、速く歩くことなど、基本的な運動能力が求められます。一見すると、これらの運動は大きく異なるように感じますが、その規定要因やメカニズムには多くの共通点が存在します。私は、運動パフォーマンスの規定要因を多面的に探索し、組み合わせることで、高齢者からスポーツ選手まで、「人」の運動パフォーマンス向上をめざす研究に取り組んでいます。

教授 岩田 晃

 

産前産後の女性に対する理学療法アプローチに関する研究

講師 森野 佐芳梨

妊娠すると多くの女性が腰や骨盤周りの痛みに悩まれされますが、妊娠中は禁忌事項が多く、治療が難しい現状があります。妊娠中の腰痛や骨盤周りの痛みの原因には、体重の増加や妊娠性ホルモンの影響による関節の弛緩等の身体変化が関連しています。これに対し、理学療法アプローチによって非侵襲的に、かつその場しのぎではなく継続的に痛みの緩和ができるよう、調査と研究を行っています。

講師 森野 佐芳梨

 

「医療」×「建築」の融合を図る

講師 上田 哲也

高齢者や障がい者等の住まいに関しての研究を行っております。理学療法分野からの視点として、加齢に伴う心身機能の変化に着目することが重要であると考えています。その上で、建築、工学、生活科学分野等の他分野と協働し、サスティナブルな(住み続けられる)住まいの提案を進めています。多職種でチームを組み、「医療」×「建築」の融合を図っていき、その成果を地域へ還元していくことをめざしています。

助教 上田 哲也

 

リハビリテーション学科 作業療法学専攻/大学院リハビリテーション学研究科 作業療法学領域の研究紹介

認知機能低下抑制の研究、地域在住高齢者の転倒予防

教授 横井 賀津志

私の研究は、高齢者の健康寿命を伸ばすためのフィールドワークです。中でも、寝たきりや要介護の状態になる原因の上位を占める“認知症” と“転倒”に関する予防活動に力を入れています。認知症予防では、「朝起きたら自分で入れたコーヒーを飲む」とか「ペットと一緒に寝る」など、“これができれば、自分らしい” というその人が大切にしている作業を一緒に見つけ、継続するための手立てを開発しています。さらに、生活行動の中に認知刺激を組み込む研究も開始しています。転倒予防では、新聞紙を用いた体操「転ばぬ先の新聞棒」を開発し普及に努め、健康寿命を伸ばすことに貢献しています。

教授 横井 賀津志

 

認知症の人に対するリハビリテーションに関する研究

准教授 田中 寛之

認知症を呈する多くの疾患は、根治が難しいと言われています。そのため、作業療法をはじめとした非薬物的なリハビリテーションの重要性が増しています。我々の研究室では、臨床現場の作業療法士と協働し、認知症の人の生活障害や行動心理症状に対するリハビリテーション介入手法、認知機能障害、生活の質を測定する評価手法の開発の研究を行なっており、臨床と研究をつなぐ成果を拳げることをめざします。

講師 田中 寛之

 

特別支援教育や発達領域の作業療法に関する研究

講師 中岡 和代

特別支援教育や発達領域の作業療法に関する研究に取り組んでいます。これまで、自閉スペクトラム症児の食に関する行動の評価尺度を開発してきました。現在は、発達領域の作業療法で関わるすべてのお子さんの行動特性、感覚特性、認知特性などについて分析し、食に関する行動の支援法の開発を進めています。また、お子さんやご家族の遠隔支援の実現に向けAIを用いた動作解析の開発などにも取り組んでいます。

講師 中岡 和代