お知らせ

2023年4月29日

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報告:オンライン実習の有用性検討(作業療法学専攻)

 2020年度はコロナ禍において臨床実習に多大な影響があり、学生を対象にオンラインによる作業療法場面の見学実習を経験していただいた。そのなかで、実習の満足度と障害者に対する態度の即時的変化を検証し、オンライン実習の有用性を検討しました。
 協力施設は近畿圏内の病院、デイケア内での作業療法場面、神経認知・社会認知トレーニング場面に参加した。時間は60分程度、見学実習の対象者は3年生4名が参加しました。

 結果として、図1に示すような満足度の評価を用いて、おおむね高評価でした。学生たちは、「教科書で学んだ活字に比べ、実際に場面を見学したのとでは理解に差があった」「オンライン実習は、対面実習と比べて緊張しないでのぞめた」「臨床実習に成り代わるものではないと思うが、実習前にオンライン実習があると不安な気持ちが少し和らぐ」などの感想も述べてくれました。そのほか、障がい者に対する態度の評価であるAttitudes toward Mental Disorder (AMD)を用いました。この評価は、各項目は0(そう思う)から3(そう思わない)の4件法で20項目で構成され、得点範囲は0-60点で得点が低いほど障がいを持つ方に対する接し方がよく態度も良好と判断するものです。実施後、学生のAMDの合計得点は平均18.3±10.7点から9.0±9.1点と大きく改善しました(図2)。

 コロナ禍以降、医学部などでもオンラインで臨床実習に取り組む報告がなされています。今回のリハビリテーション学研究科の取り組みにおいて満足度は高く、その理由としては学内授業にない『当事者とのリアルタイムでの相互交流』、『臨床実習と同等の作業療法場面』を体験できたことが考えられました。しかしながら、学生はオンライン実習が臨床実習のかわりになるとは考えておらず、あくまで実習に臨むための授業の一環で行うことを期待していることも推察できました。我々教員は、学生が実習にいくまでの心構えや不安の軽減をオンライン実習等を通して育むことも必要であることがわかりました。今後も、臨床現場に即した授業を展開できるように教員一同努力したいと思います。

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