お知らせ
2026年3月26日
- 研究
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袁准教授の研究グループの研究成果が、国際誌『Results in Engineering』(JCR-Q1、インパクトファクター:7.9、CiteScore:7.3)に掲載されました。
気候変動下における都市熱快適性の将来予測とレジリエント都市計画
~日本主要都市を対象とした高解像度気候データ解析~
<ポイント>
- 日本全国10都市を対象に、将来気候(5)における都市熱快適性の変化を定量評価。
- CMIP6気候モデル+統計的ダウンスケーリング(EPW)により、高時間解像度の将来気象データを構築。
- 簡易快適指標(SCI)および高度熱指標(ATI)を用い、都市間の熱リスク差異とUHI影響を分離評価。
<グラフィカルアブストラクト>

<概要>
本研究は、日本の代表的な10都市を対象に、気候変動が都市の屋外熱快適性に与える影響を高精度に評価することを目的とする。2011~2020年の実測気象データと、CMIP6に基づく将来気候(2077~2095年、RCP8.5)を統計的にダウンスケーリングし、EnergyPlus形式(EPW)データとして整備した。熱快適性の評価にはSCIおよびATIを用い、都市ごとの熱ストレスの変化を解析した。その結果、全都市で有意な熱環境悪化が確認され、特に那覇や鹿児島では地域気候の影響が支配的であり、東京・大阪では都市ヒートアイランド(UHI)の影響が顕著であることが示された。
<研究の背景>
- 地球温暖化の進行により、都市の熱ストレスや健康リスクが急速に増大している。
- 日本では都市ヒートアイランド研究が進んでいるが、複数都市を対象とした将来予測は限定的である。
- 高解像度かつ多都市比較に基づく適応戦略の定量評価が求められている。
<研究の内容(手法概要)>
- 対象:日本全国の代表的10都市(札幌~那覇)
- 気候データ:
・過去:2011~2020年EPWデータ
・将来:CMIP6(RCP8.5)+統計的ダウンスケーリング(2077~2095年)
- 評価指標:
・SCI(簡易快適指標)
・ATI(高度熱指標)
- 解析手法:
・高時間解像度データによる都市別熱環境評価
・地域気候と都市構造(UHI)の影響分離解析
・統計解析(有意差検定など)
<主要知見と効果>
- 将来気候下で全都市において熱快適性が有意に悪化(ATI上昇:+3.45~28℃)。
- 那覇・鹿児島では地域気候の影響が支配的、東京・大阪ではUHIの影響が顕著。
- 夏季の極端熱環境では、ATIが100℃を超えるケースも確認。
- 都市ごとに異なる適応戦略(例:水利用冷却、反射材料、緑化)が必要であることを提示。
<今後の展開>
- 複数シナリオ(RCP/SSP)および不確実性評価の導入
- 建築スケールとの統合(建物エネルギー・室内環境との連成解析)
- AI・IoTを活用したリアルタイム都市熱環境制御への展開
- 都市計画・政策設計への応用(地域別適応戦略の高度化)
<掲載誌情報>
- 雑誌:Results in Engineering(Elsevier)
- 論文名:Climate change impacts on urban thermal comfort across Japanese cities: Implications for resilient urban planning
- 著者:Xiong Xiao, Zhichao Jiao, Shaoyu Sheng, Jihui Yuan(責任著者)
- DOI:https://doi.org/10.1016/j.rineng.2026.110147
<研究内容に関する問い合わせ先>
大阪公立大学大学院生活科学研究科
准教授 袁 継輝(えん けいき)
TEL:06-6605-2833
E-mail:yuan[at]omu.ac.jp
※[at]を@に変更してください。