【研究部門】 多発性硬化症
多発性硬化症
この研究部門では、多発性硬化症に加え、視神経脊髄炎(Neuromyelitis Optica, NMO)、MOG関連疾患(MOGAD)が視神経、大脳白質および脊髄を障害する疾患として研究対象に加わっています。さらに抗NMDA抗体脳炎や抗GFAP抗体脳炎、抗LGI1抗体脳炎などの自己免疫性脳炎についても関連する機序を有しており基礎的、臨床的な研究を行っています。
1. 多発性硬化症と注意障害
多発性硬化症(MS)では明らかな再発がないのに、疲労感や集中困難など仕事に支障をきたすことが問題となっています。我々は以前、MSの高次機能障害として発症早期から注意機能が障害されることを報告しました(#1)。最近ではMS患者のうつと疲労が注意機能に及ぼす影響について報告しています(#2)。これら知見からMS患者の注意機能障害が、うつ、疲労がそれぞれ相互に作用しつつ、MS患者のQOL低下や就労困難に影響を及ぼしていると考えています。現在はMS患者の注意機能障害とうつ、疲労の関係に注目し、MRIや脳磁図(MEG)を用いてMS患者の脳機能についての研究を行っています。
MS患者ではうつ・精神疲労の増悪に相関して注意機能障害が進行した。
#1:Neuropsychiatr Dis Treat. 2011
#2:J Affect Disord Rep. 2021
2. 視神経脊髄炎(NMO)とAQP4抗体
NMOとMOGADの臨床的特徴について眼科と共同研究を行っています。(第126回日本眼科学会総会2022、第118回日本内科学会講演会2021)
また、脳血管周囲腔における物質の搬出とAQP4について、動物実験を用いて研究しています。
図. 脳穿通動脈周囲のアミロイドβ輸送(Int J Mol Sci 2022)
3. 自己免疫性脳炎の臨床研究
抗NMDA受容体抗体脳炎についての研究を行っており、予後規定因子や基礎疾患、病態について多数学会報告しています。
(第32回日本神経免疫学会学術集会2020、日本神経学会第117回近畿地方会2020、日本神経学会第114回近畿地方会2019、第34回日本老年医学会近畿地方会2023)
最近は、新たな抗体の関与が明らかとなってきており、抗GFAP抗体脳炎、抗LGI1抗体脳炎などの自己免疫性脳炎についても関連する機序を有しており基礎的、臨床的な研究を行っています。(神経学会地方会2024、神経治療学会2024)