【研究部門】 パーキンソン病
パーキンソン病
1. DOPA化αシヌクレインの研究
パーキンソン病は、αシヌクレインという蛋白質が神経細胞内に蓄積し発症すると考えられています。最近,共同研究者の細胞機能制御学教室の広常教授らは中脳黒質に特異的に発現するチロシンヒドロキシラーゼがαシヌクレインの136番目のチロシン(Y136)をDOPA化することを報告し、oligomer形成さらには神経障害性に関与していることを示唆しました (Hirotsune et al, Nature Commun 2022)。当科では、このDOPA化αシヌクレインをマウス中脳黒質にDOPA化αシヌクレインを注入し細胞毒性を解析しています。
図. 中脳黒質Tyrosine Hydroxylase抗体での免疫染色。ドーパ化α-シヌクレイン注入後には黒質神経細胞の減少を認めました。
2. パーキンソン病に伴う認知症におけるPET研究
認知症を伴うパーキンソン病およびDLBをアミロイドβの陽性 vs. 陰性で比較したところ、アミロイドβ陽性では認知症の進行が早いことが示されました。また、MCIを呈したパーキンソン病ではアミロイドβ陽性者はほとんどみられず、アミロイドβの関与のない純粋型がMCI/PDの中心病態であることを報告しました(CME 2016)。さらに、臨床的症状の違い、画像所見での鑑別、治療法などを現在検討しています。
3. パーキンソン病およびレビー小体型認知症における自律神経病変の病理研究
パーキンソン病とレビー小体型認知症剖検症例の脊髄病理を調べたところ、交感神経節前ニューロンが有意に減少していることを示しました。また起立性低血圧を有する症例ではその障害は高度であり,症状の責任病巣の一つであることを示しました(J Parkinsons Dis 2016)。
4. パーキンソン病患者およびパーキンソン症候群患者における強化型多職種支援プログラムの検討
パーキンソン病の治療は、神経内科医が行う薬物療法が中心となりますが、パーキンソン病の症状は多彩であり、心理的な影響を受けやすいため,教育,カウンセリング、食事、サプリメントなどの非薬物療法が症状の進行予防や運動症状の改善に有用であることもよく知られています。
本研究ではパーキンソン病、レビー小体型認知症を含むパーキンソン症候群の患者さんを対象に、医師、看護師、介護士、リハビリテーションスタッフ、栄養士、薬剤師、臨床心理士、医療福祉士など多職種が支援するプログラム「強化型多職種支援プログラム」を作成し、運動症状、非運動症状、クオリティオブライフへの効果を検討していきます。
図. パーキンソン病、パーキンソン症候群患者多職種支援のイメージ