看護学研究科 3ポリシー

ディプロマ・ポリシー

〔人材養成の方針及びディプロマ・ポリシー〕

1) 人材養成の方針

本研究科は、少子高齢化、人口減少に伴う医療サービスの多様化、複雑化、高度化する社会環境の中で、看護学の知を創造し、変革できる、看護学研究者、実践者の育成を目指す。
博士前期課程においては、生命と人権の尊重を基盤として、看護に求められる社会的使命を遂行し、看護学を実践的・創造的に発展させ、地域社会及び国際社会のあらゆる健康レベルの人々に貢献できる高度な看護分野の実践者、管理者、教育者、研究者を育成する。具体的には、高度な実践力と看護実践を変革し、けん引できる人材を育成するとともに、研究活動においては、科学的に知を追求するための基礎的研究能力、データサイエンスを活用する能力、学際的に探究する思考力、地域性や個別性を考慮した分析能力、エビデンスを発信できるコミュニケーション能力を有する人材を育成する。
博士前期課程には修士論文コースと実践看護研究コースを設ける。
修士論文コースでは研究的な取り組みを志向し、看護師の資格取得の有無に関わらず主に学際的に探究する思考力を有する人材を育成する先進ケア科学領域と、看護師の資格取得者を対象に主に看護に関わる事象を分析し、理論的に探究できる能力を有する人材を育成する実践看護科学領域を配置する。
実践看護研究コースは、専門看護師として看護の質を向上させる高度実践看護者、臨床や地域の現場で組織等をマネジメントする視点から看護の質を向上させる実践看護管理者、臨地や教育機関での教育の視点から看護の質向上を図る看護教育者を志向する人材を育成し、実践看護科学領域にて教育を行う。
博士後期課程では、社会実装化することを視野に入れ、看護に関わる知を学際的に創出し、グローバルに発信できる能力を有する人材を育成する。
具体的には、保健医療福祉の課題解決や看護学の発展に向けて、学際的に研究を推進できる能力、看護や関連領域の知識や高い倫理観に基づき、看護のエビデンスを実社会の中で、科学的に検証し、活用する能力を有し、社会の変革に向けて、保健医療福祉、教育において新たな価値を創造し、施策などへ参画できる変革者としてのリーダーシップを発揮し、研究成果をグローバルに発信できる能力を有する人材を育成する。

2) ディプロマ・ポリシー

【博士前期課程】

本研究科博士前期課程では、所定の期間在学して所定の単位を修得し、以下の能力を身につけた学生に対し、修士(看護学)の学位を授与する。

  1. 看護学に関わる基礎的研究能力
    看護学を中心に保健医療福祉に関する知を科学的に追及できる基礎的研究能力
  2. 看護に関わる事象の分析能力
    保健医療福祉に関わる課題について地域性や個別性を考慮し分析する能力
  3. 研究成果を発信できるコミュニケーション能力
    国際的な視点を持って研究成果を発信できる基礎的コミュニケーション能力
  4. データサイエンスを活用する能力
    保健医療福祉に関する研究に必要な課題を社会現象や生体行動のデータより理論化し、活用する能力
  5. 学際的に探究する思考力
    保健医療福祉と看護を含むケアの課題を学際的な視点から、探求する思考力
  6. 看護に関わる事象を理論的に探究する力
    看護に関わる現象を分析し、課題解決やエビデンス構築に向けて理論的に主体的に探究する能力
  7. 看護実践の場における高度な実践力、教育力
    豊かな人間性と高い倫理感に基づき、関連する学問領域における知識や技術を高度な実践、看護管理や看護教育に適用する能力
  8. 看護実践の変革をけん引する能力
    専門性の高い看護ケアを提供し、看護実践の質の向上を目指す改革を推進できる能力

【博士後期課程】

本研究科博士後期課程では、所定の期間在学して所定の単位を修得し、以下の能力を身につけた学生に対し、博士(看護学)の学位を授与する。

  1. 看護学に関わる研究を学際的に推進できる力
    保健医療福祉の課題解決や看護学の発展に向けて、学際的に研究を推進できる能力
  2. 研究成果を社会実装化する力
    看護や関連領域の知識や高い倫理観に基づき、看護のエビデンスを実社会の中で、科学的に検証し、活用する能力
  3. 社会の変革に向けてリーダーシップを発揮する力
    社会の変革に向けて、保健医療福祉、教育、研究において新たな価値を創造し、施策などへ参画できる変革者としてリーダーシップを発揮できる能力
  4. 研究成果をグローバルに発信できる能力
    看護に関わる研究成果をグローバルに発信できるコミュニケーション能力

カリキュラム・ポリシー

〔教育課程の編成方針(カリキュラム・ポリシー)〕

【博士前期課程】

1) 総合性に関する方針

保健医療福祉や看護を含むケアの課題を科学的視点および学際的視点で追求し、エビデンス構築し、実装化を志向し、研究成果を発信できる人材と、高い倫理観を持ち、看護に関わる現象を分析し、チーム医療において社会を変革できる実践者を育成するために必要な大学院共通教育科目、専門基礎科目、専門科目を配置する。

2) 順次性に関する方針

  • 1年次は、大学院共通教育科目と専門基礎科目の履修により、エビデンスを追求する基礎的研究能力を身につける。また、関連する学問分野の研究を学び、学際的に探究する思考力を身につける。さらに大学院共通教育科目の「AcademicWriting」や「AcademicPresentation」の履修や先進ケア科学共通科目のケア科学英語論文作成法、実践看護科学領域共通科目の「異文化フィールドワークA」、「異文化フィールドワークB」の履修により研究成果を発信できるコミュニケーション能力を修得する。
  • 修士論文コース(先進ケア科学領域)では、大学院共通教育科目と専門基礎科目で修得した基礎的研究能力を生かし、1・2年次に先進ケア科学領域のケアシステム科学分野または生体行動ケア科学分野の科目の履修により、研究課題を抽出して研究を遂行し、研究成果を発信できる能力を身につける。
  • 修士論文コース(実践看護科学領域)では、1年次に大学院共通教育科目や専門基礎科目の「看護学研究法」や「理論看護学」を配置し、看護を体系化するための理論と基礎的研究能力を養う。さらに各専門分野の知見を広げ、深化する能力を養い、研究活動につながる課題抽出につなげられるよう、基礎看護科学分野、家族支援看護科学分野、生活支援看護科学分野、療養支援看護科学分野の「特論科目」、「演習科目」の履修により、研究課題を抽出する。2年次に「実践看護科学特別研究」を配置し、研究を遂行し、研究成果を発信できる能力を身につける。
  • 実践看護研究コース(実践看護科学領域)では1年次に大学院共通教育科目、専門基礎科目の「看護学研究法」や「理論看護学」を配置し、看護を体系化するための理論と基礎的研究能力を養う。また高度実践看護者、看護管理実践者、看護教育者としての実践の基礎となる知識や技術を習得するための専門基礎科目(実践看護科学共通科目)や基礎看護科学分野、家族支援看護科学分野、生活支援看護科学分野、療養支援看護科学分野の特論科目、演習科目、実習科目を配置する。さらに課題解決につながる研究能力を養うための「実践看護科学課題研究」を2年次に配置する。

3)実施に関する方針

  • 学生が研究を主体的に遂行できる教育体制を整備する。
  • 学生間で相互に交流しながらクリティカルな検討ができる学習環境を整える。
  • 共通科目は、看護学を専門とする教員と異分野の教育・研究者と共同して教育内容を精選し、教育計画を立案する。
  • 修士論文コース・実践看護研究コース(実践看護科学領域)では、学生が多様な分野と交流しながら、学修を深められるような教育体制を整備するとともに、最新の実践的な保健医療福祉の知識を学べるような教育体制、シミュレーション等を活用した教育環境を整備する。
  • 研究指導は指導教員を中心に複数指導教員体制をとり、論文審査と最終試験を行う。
  • 多様な学生の学習ニーズに対応するため、長期履修制度を設置する。
  • 修士論文コース・実践看護研究コース(実践看護科学領域)では、大学院への知的好奇心を刺激し、大学院教育への導入を円滑に進めるために、博士前期課程科目の先行履修が行えるような科目を設定する。
  • ディプロマ・ポリシーで示した目標を学生が達成できるように、各領域のコースごとの履修モデルを提示し、カリキュラムの構成を具体的に示す。成績評価は、ディプロマ・ポリシーに基づき、それぞれの能力等が修得できているかを各科目のレポートや講義への参加意欲などの平常点で評価する。加えて修士論文、課題研究についての論文の評価基準に基づき論文審査、最終試験を行う。各科目の評価方法の詳細はシラバスに記載する。

【博士後期課程】

1)総合性に関する方針

保健医療福祉における研究を科学的な視点から自律して推進し、グローバルに発信するとともに、看護におけるエビデンスを構築し、その社会実装をめざす人材を育成するために必要な大学院共通教育科目、専門基礎科目、専門科目を配置する。

  • 大学院共通教育科目には、高い倫理観を養うための研究公正科目やイノベーションを創出する能力やリーダーシップを発揮できる能力を育成のためのキャリアデザイン科目群を配置する。
  • 専門科目には、専門基礎科目として高度な研究能力を育成するために「ケア科学研究総論」、「看護学研究方法論」、「看護学研究方法論演習」などを配置する。また、エビデンスを社会実装化する方法を修得するためにケアシステム開発論、看護理論開発方法論などを配置する。
  • 専門科目には、看護学における知を理論的に体系づけ、実装化を志向できるように実践看護科学科目を、他分野のケアを融合したケア科学を追求できる先進ケア科学科目を配置する。各専門領域における特講、演習、特別研究を配置する。
  • 国際的視野に立ち、学術交流、研究活動に貢献でき、研究成果をグローバルに発信でき、リーダーシップを発揮できる能力を育成するために、特別研究などにおいて、国際学会や海外などのジャーナルに成果を発表することを推進する。

2)順次性に関する方針

  • エビデンスを追求し、創造する研究能力を身につけるために必要なコースワークが行えるよう科目を配置する。
    1年次には大学院共通教育科目、専門基礎科目に「ケア科学研究総論」、「生体行動評価論」、「ケアシステム開発論」、「看護学研究方法論」、「看護学研究方法論演習」、「看護理論開発方法論」を配置し、看護の知を体系化するための方法、エビデンスを導く研究方法を学修するための科目を配置する。さらに研究成果の社会実装やケア科学の発展をめざす研究者としての倫理観と素養を身につける科目を配置する。
  • 1年次には各分野の知見を深め、研究課題に関連するフィールドワークなどを行い、研究課題を見出し、2年次以降で段階的に研究を遂行できるように「特別研究1」、「特別研究2」、「特別研究3」を配置する。

3)実施に関する方針

  • 専門領域を先進ケア科学領域と実践看護科学領域の2領域として、先進ケア科学領域では10分野に、実践看護科学領域では4分野とし、専門性の高いコースワークを行った後、特別研究は分野横断的に配置し、多様な教員から指導が受けられるような指導体制を整備する。
  • 学際的に研究を推進できる能力を養うことができるように研究課題に応じて、異分野の教育・研究者と共同し、教育内容を精選し、学習環境を整える。
  • 研究指導は指導教員を中心に複数指導教員体制をとり、研究計画審査会、中間報告会、論文審査と最終試験を行う。
  • 多様な学生の学習ニーズに対応するため、長期履修制度、早期修了制度などを設置する。
  • ディプロマ・ポリシーで示した目標を学生が達成できるように履修モデルを提示することにより、カリキュラムの構成を具体的に示す。学修評価は、ディプロマ・ポリシーに基づき、それぞれの能力等が修得できているかを各科目でのレポートや講義への参加意欲などの平常点で評価する。加えて博士論文の評価基準に基づき論文審査、最終試験を行う。各科目の評価方法の詳細はシラバスに記載する。

アドミッション・ポリシー

〔アドミッション・ポリシー〕

本研究科は、研究科の教育理念及び教育目的・目標に沿った学生を幅広く受け入れる。

【博士前期課程】

博士前期課程のアドミッション・ポリシーは次の通りである。
博士前期課程は、生命と人権の尊重を基盤として、看護に求められる社会的使命を遂行し、看護学を実践的・創造的に発展させ、地域社会及び国際社会のあらゆる健康レベルの人々に貢献できる高度な看護分野の実践者、管理者、教育者、研究者を育成する。本研究科の学位授与方針及び教育課程編成・実施方針を踏まえ、次の能力や適性を身につけた学生を選抜する。

1) 入学前能力

【能力】

  • 英語論文を読解できる基礎的語学力を有する人
  • 論理的思考を表現する能力を有する人
  • 豊かな人間性と倫理観を備え、人々と協働できる人
  • 看護学の基礎知識と総合的な学力を有する人(実践看護科学領域修士論文コース、実践看護研究コースのみ)

【意欲】

  • 保健医療福祉におけるニーズや課題を探求する意欲を有する人
  • みずからの将来を見据え、主体的に学ぶ姿勢と、研究を遂行する意欲を有する人
  • 看護に関わる事象を分析し、看護実践の質向上と改革を推進する意欲を有する人(実践看護科学領域の修士論文コース、実践看護研究コースのみ)

【志向】

  • 修士論文コースでは研究科の教育目的や教育目標を理解し、学術志向性を有する人・看護に関わる事象の変革に寄与できるエビデンスを構築するために現象に真摯に向き合い、理論的に考え探究する人
  • 高度専門職業人として、医療施設、行政、社会福祉施設、地域などにおいて、看護実践、看護教育、並びに看護学の発展に貢献する志向を有している人(実践看護科学領域実践看護研究コースのみ)
  • 看護実践の変革のための研究者、実践家になるために目的意識を持って主体的に学び、地道な努力を重ねることができる人(実践看護科学領域の実践看護研究コースのみ)

2)入学後能力

入学前能力をさらに伸ばし、教育目標に定められた資質能力を身につけることができる人

3) 評価方法

  • 入学者選抜においては、多様な人材を選抜するために、一般選抜・社会人特別選抜・学部特別選抜を実施する。
  • 各選抜においては能力、意欲、志向を測定するために、学力試験、出願書類審査・口述試験を組み合わせて評価する。

【博士後期課程】

博士後期課程のアドミッション・ポリシーは次の通りである。
博士後期課程は豊かな学識を有し、看護学分野において社会実装化することを視野に入れた学術的研究を推進し、その深奥を究め、高い倫理観を持ち、自立して研究活動を行い、看護学の知の創造に貢献できる能力を有する人材を育成する。本研究科の学位授与方針及び教育課程編成・実施方針を踏まえ、次の能力や適性を身につけた学生を選抜する。

1) 入学前能力

【能力】

  • 専門分野に精通した基礎及び応用力を有し、知識と研究成果をグローバルに発信できる基礎的語学力を有する人
  • 豊かな人間性と倫理観を備え、柔軟な思考、洞察力、発想力を有する人

【意欲】

  • 探究心を持ち、看護学の視点から自立して研究に取り組む姿勢を有している人
  • 学際的視野に立ち、看護学の体系化に主体的に取り組む熱意がある人

【志向】

  • 看護学の発展につながる革新的方策を目指し、研究を推進する意志を有する人
  • 地域社会、国際社会において看護の発展に貢献する意欲を有する人

2) 入学後能力

入学前能力をさらに伸ばし、教育目標に定められた資質能力を身につけることができる人

3) 評価方法

入学者選抜においては、多様な人材を選抜するために、一般選抜、博士前期課程特別選抜を実施し、各選抜においては能力、意欲、志向を測定するために、学力試験、出願書類審査・口述試験を組み合わせて評価する。