獣医学研究科 3ポリシー

ディプロマ・ポリシー

〔人材養成の方針及びディプロマ・ポリシー〕

大学院では、学術の理論及び応用を教授研究し、その深奥をきわめ又は高度の専門性が求められる職業を担うための深い学識及び卓越した能力を培い、文化の進展に寄与することを目的とする。21世紀に入り獣医学に対する社会の期待は益々増大して来ている。例えば、少子高齢化社会における愛玩動物の重要性、技術革新に伴う産業界における動物科学を基盤とした研究者の需要や人獣共通感染症対策や食の安全に対する貢献などがある。このような背景から、本研究科では、動物医療を中心とし、動物生命科学から食の安全や人獣共通感染症等、いわゆる公衆衛生分野まで包含する学際的な研究・教育を行い、社会的要請が増加している動物バイオメディカル関連、食の安全及び人獣共通感染症を含めた獣医公衆衛生及び動物衛生、病態動物の診断・治療・予防などの分野において、幅広い視野と深い洞察力、及び高い倫理観を持ち、独創的指導能力を発揮できる国際的な専門家を育成することを目指す。特に、動物構造機能科学分野では、産業界やアカデミアで求められる高度研究者を、獣医環境科学分野では、人獣共通感染症、家畜衛生や食の安全の分野で活躍できる高度研究者、あるいは高度専門的職業人としての能力を持つ人材を、獣医臨床科学分野では、愛玩動物に対するエビデンスに基づく獣医療に精通した高度専門的職業人を養成することを目指している。
そのために、本研究科は以下の教育目標を掲げる。

  1. 動物医療に加え、動物バイオや感染症対策を含めた公衆衛生領域にかかわる科学技術を修得し、生命科学に関する問題に柔軟に対応できる研究者としての能力に加え、獣医学を基盤にしたより高度な知識と技術を有する指導者としての能力を培う。
  2. 自然科学領域における幅広い視野と高い倫理観を備え、独創的で問題解決能力に優れた研究者・技術者としての能力を培う。
  3. コミュニケーション能力やプレゼンテーション能力を身に付け、国際的に活躍できる能力を培う。

獣医学専攻博士課程は上記本研究科の人材育成の方針・目的・教育目標に基づき、以下の能力を身に付けた上で、所定の単位を習得し、研究内容、研究発表能力、質疑応答能力に基づいて学位論文が審査され、最終試験に合格した者に博士(獣医学)の学位を授与する。

ディプロマ・ポリシー

  1. 獣医科学及び関連領域に関わる高度な専門性、深い学識を有している。
  2. 自然科学領域の幅広い知識と高い倫理観を有し、諸問題に論理的かつ柔軟に対応できる。
  3. 自ら近未来の獣医学的課題を想定でき、独創的な発想に基づき問題解決に向けた立案ができる。
  4. 英語でのコミュニケーション能力を有し、アジアをはじめとする国際社会でリーダーとして活躍できる。

カリキュラム・ポリシー

〔教育課程の編成方針(カリキュラム・ポリシー)〕

ディプロマ・ポリシーに掲げる能力を修得させるため、以下の教育課程を提供する。また、各科目の学修成果は、定期試験、レポート、授業中の小テストやプレゼンテーションの内容(レベル、スライドのわかりやすさ、発表の論理性「背景、目的、方法、結果、考察等」、質問に対する回答が適切かつ論理的に行なわれていたか)を総合的に評価することとし、その評価方法については、授業内容の詳細とあわせてシラバスにおいて科目ごとに明示する。本研究科における教育課程の編成方針は次のとおりである。

カリキュラム・ポリシー

  1. 博士(獣医学)に必要な基盤となる能力を見つけるための内容を学習する授業科目、専門性をより高めるための分野ごとの授業科目を編成する。
  2. 大学院共通教育科目の必修科目として、国際舞台で活躍する研究者としての動物福祉や研究倫理の醸成を目的とした授業科目を編成し、学生の自主性に基づき、幅広い視野を持つための授業科目を編成する。
  3. 自ら課題を想定し、独創的な発想に基づく問題解決能力と論文執筆能力を修得するための授業科目を編成する。
  4. 英語力を修得し、英語でのプレゼンテーション能力を高め、グローバルに活躍できる人材育成のための授業科目を編成する。

これらに加え、各コースにおける教育課程の編成方針は次のとおりである。

  • 動物構造機能学コースでは、実験動物医学専門医資格や日本獣医病理学専門家協会会員資格の修得を目指す者に対して、受験に向けた独自の教育・研修プログラムを提供する。
  • 獣医環境科学コースは、食の安全・人獣共通感染症の専門家を育成するためのインターナショナルコースとして開講し、全ての講義を英語で行う。
  • 獣医臨床科学コースでは、獣医臨床科学分野の専門家として地域獣医療を牽引できるリーダーとなりうる人材を養成するため、獣医学部附属獣医臨床センターでの獣医臨床の実践を通して高度な獣医臨床能力を養う高度臨床実践トラックを設置する。

さらに、国内外から第一線の研究者を招聘し、獣医科学、自然科学及び関連領域の最先端の専門知識を修得することを目的に各コースで特別講義を開講する。また、獣医学の専門性を必要とする国内外の現場での演習を通じてより広い視野を培うことを目的に、国際、国内インターンシップを実施し、国際舞台を含む社会での実践力を養成する。

アドミッション・ポリシー

〔アドミッション・ポリシー〕

本研究科は、獣医科学及び動物生命科学領域に関する学識・見識・技術を兼ね備え、社会的要請が増加している創薬や化学物質の安全性評価などのヒト及び動物バイオ関連の動物構造機能学分野、家畜衛生や食の安全及び人獣共通感染症を含めた獣医環境科学分野、疾病を抱える動物の診断・治療・予防などの獣医臨床科学分野の各分野において、幅広い視野と深い洞察力、及び高い倫理観を持ち、アジアをはじめとする国際社会でリーダーとして活躍できる人材の育成を教育理念とする。したがって、本研究科では以下のような学生・社会人を国内外から広く求める。

  1. 獣医科学の専門分野を学ぶための十分な基礎学力がある人。
  2. 自然科学領域の幅広い知識を持ち、論理的な思考力と自ら学ぶ探求心を備えている人。
  3. 将来、国内外の獣医学領域で指導的立場に立つ強い意志とリーダーシップを発揮する意欲のある人。
  4. 獣医学分野に携わる人材として豊かな人間性、協調性、国際性と倫理観を備えている人。
  5. 研究活動に必要な英語能力とコミュニケーション能力を有している人。