学士課程

卒業認定・学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)

 大阪公立大学では、学士課程教育を通して、現代人として必要な教養を修得し、国際感覚の錬磨によって幅広い視野に立ち、自主的・総合的な判断力、問題解決能力、及び豊かな人間性と社会に積極的に参加する市民的公共性を身に付け、生涯にわたり継続的・発展的に学び成長できる人材を育成する。

 このため、学士課程では、各学部等のカリキュラム・ポリシーに準じたカリキュラムを全学共通教育としての「基幹教育」と「専門教育」の2つに区分する。基幹教育は、その企画・運営組織として「国際基幹教育機構」を設置し、外国語の運用能力を含めた国際的なコミュニケーション能力、幅広い視野に立つ自主的、総合的な判断力と問題発見・解決能力を養い、継続的、発展的な学修を支えるためのコアを形成することを目指すとともに、Society 5.0時代などに求められる人材や高等教育の目指すべき姿など大学への社会的要請を踏まえ幅広い知識の獲得を目指す。専門教育では、さらに専門領域の基礎的知識に加え、実践的態度、倫理的態度、創造的な感性や知性という広義の教養を備え、卒業後も学び続ける姿勢を身に付けることができるように高度で専門的な内容を修得することを目指す。各学部等の教育課程では、基幹教育と専門教育を通じて必要な知識・技能・態度・能力等を獲得し、これらを活用し、社会変化に対応できる人材となることを目指す。

 全ての学生が(知識・理解)、(技能)、(態度・志向性)、(統合的な学修経験と創造的思考力)の領域で、下記の具体的な学修成果を上げることを目指す。

 

学士課程で目指す学修成果

【知識・理解】
○多様性について学び、他文化・異文化に関する知識を尊重・理解することができる。
○人間と言語・文化、科学と技術、社会と歴史、環境と健康・スポーツについて尊重し、理解を深めることができる。
○それぞれの専門領域の知識と技術を体系的に学び、応用できる。

【技能】
○日本語や外国語を用い、それぞれに求められる水準で受信、発信、やりとり、仲介を行うことができる。
○自然や社会現象について数学・統計を用いて分析し、意思決定に活用できる。
○情報通信技術(ICT)などを用いて多様な情報を収集・分析して適切に判断し、モラルに則って効果的に活用することができる。
○情報や知識の複眼的、論理的分析に基づき、批判的思考(クリティカル・シンキング)をし、更に表現することができる。
○問題を発見するスキルや、解決に必要な情報を収集・分析・整理するスキルを獲得し、その問題の解決に向かうことのできる実践力を身に付ける。

【態度・志向性】
○自分で考え、良心に従い、社会のルールを尊重して自分の責任で判断し行動できる。
○他者と協調して行動でき、また、必要に応じて他者に方向性を示し、リーダーシップをとることができる。
○地域をはじめとする社会の一員としての意識を持ち、社会の発展のために積極的に関与できる。
○自ら学ぶ姿勢を身に付け、生涯にわたって進んで学修できる。

【統合的な学修経験と創造的思考力】
○これまでに獲得した知識・技能・実践力等を総合的に活用し、自らが立てた新たな課題にそれらを適用し、その課題を解決することができる。

教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)

 大阪公立大学における学士課程教育では、専門分野を学ぶための基礎教育や学問分野の枠を越えた普遍的・基礎的な能力の養成にあると考え、専門分野の学修を通じて学生が知識の獲得だけではなく、前述の「学士課程で目指す学修成果」を達成しているかなど、社会が求める人材養成にも配慮した教育課程編成を行う。

  授業科目は、基幹教育科目及び専門科目により構成する。基幹教育科目は主に1年次・2年次において学び、専門科目は2年次以降に学ぶことにより、有機的・体系的な編成を行う。基幹教育科目は以下の方針で編成している。

○学生として自ら学ぶ姿勢を身に付け、アカデミックスキルの基礎を身に付けるため、1年前期必修科目として「初年次ゼミナール」を導入する。
○学生の視点に立った学修の系統性や順次性を重視し、各々のカリキュラムの中で中核となる科目を必修科目と位置づけ、学生にとって履修計画が立てやすいものとする。
○基幹教育と専門教育との接続性を重視し、学士課程全体を通して学修成果が達成できるカリキュラムを構築する。
○全学的な協力体制の下で、複数の専門分野にまたがる横断的な科目の配置、全学の学生が目指すべき進路や興味関心に応じて自由に選択・履修できる「副専攻」の設置など、学域・学部の枠を越えて幅広く学ぶことができる教育課程の編成を行う。
○学期は、1年を前期・後期の2学期制とし、15週の授業期間と試験期間を設ける。

 また大阪公立大学は、学生の学修成果を適切に把握するため、教育推進本部が定める「大阪公立大学における教育の内部質保証に関する方針」のもと、基幹教育科目と専門教育科目をそれぞれ提供する国際基幹教育機構と各学部(学域)においてアセスメントポリシーとアセスメントリストを定め、複数の評価指標・方法を用いて定期的に学修成果の評価を行う。また、国際基幹教育機構と各学部(学域)において、科目の到達目標の達成状況を基準にした成績評価ガイドラインを定め、各科目における成績評価を実施する。科目の到達目標および評価方法・評価基準はシラバスに明記する。

入学者受入れの方針(アドミッション・ポリシー)

 大阪公立大学は、学士課程を通して、ディプロマ・ポリシーに掲げた学修成果を修める学生を育成して教育目標を達成するために、人間性豊かで、多様な関心、柔軟な思考力を持ち、科学・産業・文化・社会の発展や持続可能社会の実現に寄与しようとする志を持つ、向学心旺盛で優れた資質を有する学生を、広く国内外から受け入れる。

 そのために、本学の学士課程では以下の方針に基づいて、学生の多様な能力を評価するための入学者選抜を実施する。従って、この方針をよく理解したうえで、高等学校までの学びを深め、広めることを期待する。

(1) 高等学校教育段階において目指す学力の3要素を確認する。
(2) 本学の基幹教育に十分に対応できる準備性を備えていることを確認する。
(3) 学域や各学部のアドミッション・ポリシーに示す資質を備えていることを確認する。