生活科学部 3ポリシー

学位授与の方針 (ディプロマ・ポリシー)

⽣活科学部が養成する⼈材像とは、現代社会の⽣活問題を学際的、複合的に学修し、⽣活や社会の問題に関する意識をもち、問題解決の理論的、実践的知識と能⼒をもつことのできる者である。専⾨分野だけでなく、学際的な視点をもち、理論的考察にとどまらず、学修成果を現実の社会に還元できる者を養成する。
上記の⼈材を養成するため、⽣活科学部では、「知識・理解」、「技能」、「実践的姿勢」、「統合的な学修経験と創造的思考⼒」の観点から、各学科における学修成果の⽬標を定め、これに到達した者に対して学⼠(⽣活科学)の学位を授与するものとする。

<⾷栄養学科>

⾷栄養学科では、⾷栄養学分野における研究基礎⼒及び臨床における実践⼒と研究⼒を育成するためのカリキュラムを⽤意し、学⽣には⾃らの学修意欲と興味・関⼼、キャリアデザインに応じて科⽬を選択させる。基幹教育科⽬の履修を通じて基本的教養と国際感覚を、学科基礎科⽬の履修を通じて専⾨分野に関する基礎的な知識・技能等を、これに続く学科専⾨科⽬の履修を通じて、⾼度な知識・技能等を修得し、所定の期間在学して所定の単位を修得した学⽣に学⼠(⽣活科学)の学位を授与する。
⾷栄養学科では、養成する⼈材像に基づき、(知識・理解)、(技能)、(実践的姿勢)、(統合的な学修経験と創造的思考⼒)の領域において、以下のような学修成果をめざす。

(知識・理解)

  • 基幹教育で学ぶ⾃然科学、社会科学、⼈間科学に関する知識を通じて、基本的教養と国際感覚を⾝につけるとともに、専⾨科⽬の履修により、⾷や栄養、健康の相関関係に関する知識を体系的に学び、専⾨知識と総合知識の双⽅を基礎とする思索⼒、理解⼒、洞察⼒を⾝につけ、それに基づき柔軟な思考ができる。

(技能)

  • ⾷資源の確保、その衛⽣的な取り扱い、さらには加⼯調理から流通に⾄るまでの段階で求められる基本的技能を備え、また、傷病者を含めた⼈々の⾷を通じて⽣活の質の向上に寄与することができる。

(実践的姿勢)

  • ⾷と栄養と健康に関して社会の指導的⽴場を担う管理栄養⼠・研究者・教育者・技術者を養成する中で、実践⼒、指導⼒、解決⼒を兼ね備えている。
  • 学際的学修を通じて、⾷を中⼼としながらも、専⾨領域を超えて問題を探求する姿勢を持ち、個⼈から地域コミュニティー、更にはグローバルな観点から現代⽣活を捉え、問題解決に向けて正確な情報を収集し、実践応⽤することができる。

(統合的な学修経験と創造的思考⼒)

  • これまでに修得した知識・技能・実践⼒等を、総合的に活⽤し、⾷と栄養、健康科学および医科学に⽴脚し、⾃らが⽴てた新たな課題にそれらを適⽤し、その課題を解決することができる。

<居住環境学科>

居住環境学科は、基幹教育科⽬の履修を通じて基本的教養と国際感覚を、専⾨基礎科⽬の履修を通じて専⾨分野に関する基礎的な知識・技能等を、これに続く専⾨応⽤科⽬の履修を通じて、⾼度な知識・技能等を修得し、所定の期間在学して所定の単位を修得した学⽣に学⼠(⽣活科学)の学位を授与する。
居住環境学科では、養成する⼈材像に基づき(知識・理解)、(技能)、(実践的姿勢)、(統合的な学修経験と創造的思考⼒)の領域において、以下のような学修成果をめざす。

(知識・理解)

  • 基幹教育を通じて、⾃然科学、社会科学、⼈間科学に関する知識をもつともに、専⾨教育において、住宅、建築分野およびこれらに関連する⾃然科学、技術、⼯学、数学分野の知識・技術などを修得し、応⽤的に⽤いることができる。
  • ⼈間⽣活と社会、⽂化、環境に関する総合的理解と、バランスのとれた判断⼒、住宅・環境・建築技術者に必要な⾃然科学や情報技術の知識・理解⼒を⾝につける。

(技能)

  • 安全で快適な空間を創造的に計画し、計画案を図⾯や模型などの媒体を⽤いて他者に伝達することができる。居住⽣活・居住空間に関する幅広くて深い理解と⾼度な計画能⼒や住宅、建築、地域環境の技術および関連分野の技術に関する知識と応⽤能⼒を⾝につける。

(実践的姿勢)

  • 地域社会および国内外の居住空間やそれを取り巻く環境に関する課題を⾒出し、⽣活者の視点をもって、企画から⽴案、実⾏に⾄る実践的な問題解決ができる。共同作業や実務に役⽴つ論理的プレゼンテーション能⼒と、他者と協調して⾏動し、リーダーシップを取ることができるコミュニケーション能⼒を⾝につける。

(統合的な学修経験と創造的思考⼒)

  • 修得した知識、技能を⽤いて、⾃ら探求あるいは他者との協働を通して、未知の知⾒を明らかにし、問題解決のための新たな解決策を提⽰することができる。快適で美的な空間を設計し、デザインするための創造的能⼒、居住空間・環境における課題を発⾒し、与条件のもとで企画・⽴案・実⾏を⾏う能⼒を⾝につける。

<⼈間福祉学科>

⼈間福祉学科では、基幹教育科⽬の履修を通じて基本的教養と国際感覚を、学科基礎科⽬の履修を通じて専⾨分野に関する基礎的な知識・技能等を、これに続く学科専⾨科⽬の履修を通じて、⾼度な知識・技能等を修得し、所定の期間在学して所定の単位を修得した学⽣に学⼠(⽣活科学)の学位を授与する。
⼈間福祉学科では、養成する⼈材像に基づき(知識・理解)、(技能)、(実践的姿勢)、(統合的な学修経験と創造的思考⼒)の領域において、以下のような学修成果をめざす。

(知識・理解)

  • 基幹教育を通じて⾃然科学、社会科学、⼈間科学に関する知識を得るともに、専⾨教育の中で得た知識を統合し、社会⽣活を多⾯的にとらえ、⼈⼝構造や社会構造の変化、地域社会の変貌にともなって⽣起する現代の⽣活課題を把握することができる。
  • ⽣活と環境、個⼈と社会の関係、⽣涯にわたる⼈間の⼼⾝の発達と⼼理・社会的援助について理解し、修得した知識を応⽤することができる。

(技能)

  • 多様な⾔語や情報通信技術(ICT)などを活⽤し、対⼈援助の場⾯で求められるコミュニケーションの技能を⽤いて、⼈と関わることができる。
  • ⽣活課題を発⾒し、必要な情報を収集し、複眼的・論理的に分析することができる。
  • ⽣活課題を解決するために社会資源を活⽤することができる。
  • ⽣活課題を解決するために必要な技能(洞察⼒、実践⼒、指導⼒、解決⼒など)の基礎を⾝につけている。

(実践的姿勢)

  • 他者と協働して、課題解決に向けた⽅策を⽴案し、実⾏することができる。
  • ⼈権や社会正義に基づき、⾃分の責任で判断し、⾏動できる。
  • ⾃⼰理解と他者理解を深めていく姿勢を持つ。

(統合的な学修経験と創造的思考⼒)

  • 修得した知識・技能・実践⼒などを総合的に活⽤し、⼈と社会における新たな課題の解決に取り組むことができる。

教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)と4年間の流れ

生活科学部の教育課程は、大阪公立大学全体の基本方針とも連動し、「基幹教育科目」及び各学科に設置する「専門科目」を大きな柱とし、各学科の教育目標にあわせたカリキュラムが編成されている。また、本学部の教育課程は、学際的、かつ実践的な教育を重視し、各学科のディプロマ・ポリシーを実現するため、それぞれ学科の特色を生かした編成方針となっている。

<⾷栄養学科>

「食栄養学科」においては、本学科のディプロマ・ポリシーで掲げた学修成果に示された(知識)(技能)等を修得できるように、次の科目群を基幹教育科目、専門科目(専門導入科目、専門基礎分野、専門分野、自由選択科目、教職科目)として設置する。学生には、管理栄養士養成課程に課せられた必修科目を履修させるとともに、自らの学修意欲と興味や関心、キャリアデザインに応じて、2つの履修モデルコースを設置する。

  • 食品栄養学コース:主に食品栄養学分野における技術者・研究者を志望する者を対象とするコース
  • 実践栄養学コース:主に実践栄養学分野における研究者・実践者を志望する者を対象とするコース

両コースでは、専門基礎分野、専門分野において、食栄養学分野の専門性を、さらに履修モデルコースにより先進性の一層高い授業、実習を提供する。
以下の(1)~(6)を通じて、学科共通の学修目標を達成するとともに、(7)の学生のキャリアデザインに応じた2つの学科内履修モデルコースでの学修によって、より専門性、先進性の高い能力を身につけさせ、食と栄養と健康に関して社会の指導的立場を担う管理栄養士・研究者・教育者・技術者の養成を行う。以上により、本学科の特色に応じた統合的な教育を行う。

  1. 本学科での学びの導入である食栄養学概論の専門導入科目を主として1年次に配置する。
  2. 総合教養科目、初年次教育科目、情報リテラシー科目、外国語科目、健康・スポーツ科学科目(基幹教育科目)を主として1年次に配置する。
  3. 専門教育を受講するにあたって不可欠な基礎事項を修得する基礎教育科目(基幹教育科目)を主として1年次に配置する。専門知識を問う一般的な試験に加え、問題意識、論理的な展開を測る論述試験、レポートによって、学修成果を評価する。
    これによりディプロマ・ポリシーで示した自然科学、社会科学、人間科学に関する知識を修得するとともに、食や栄養、健康の相関関係に関する知識を体系的に学び、柔軟な思考といった(知識・理解)の基盤を形成する。
  4. 食・栄養学の専門家を養成するに必要な専門基礎の講義と実習を主として、2年次・3年次に配置する。専門知識を問う一般的な試験に加え、問題意識、論理的な展開を測る論述試験、レポートによって、学修成果を評価する。
  5. 食・栄養学の専門家を養成するに必要な実地体験(臨地実習)を含む講義、実験、実習を主として3年次に配置する。論述試験、レポートによって、学修成果を評価する。
    これによりディプロマ・ポリシーで示した食資源の確保、その衛生的な取り扱い、さらには加工調理から流通に至るまでの段階で求められる基本的技能、また、傷病者を含めた人々の食を通じて生活の質の向上に寄与するための(技能)の基盤を形成する。
  6. 自らの学びの成果を具現化する演習を3年次、4年次に配置する。レポートによって、学修成果を評価する。 
    これによりディプロマ・ポリシーで示した学際的学修を通じて、食を中心としながらも、専門領域を超えて問題を探求する姿勢を持ち、個人から地域コミュニティー、更にはグローバルな観点から現代生活を捉え、問題解決に向けて正確な情報を収集し、実践応用する(実践的姿勢)を修得させる。
  7. それぞれのコースに求められる専門性、先進性の高い知識、能力を涵養する卒業論文研究や総合演習を4年次に配置する。
    これによりディプロマ・ポリシーで示した修得した知識・技能・実践力等を、総合的に活用し、食と栄養、健康科学および医科学に立脚し、自らが立てた新たな課題にそれらを適用し、その課題を解決することができる(統合的な学修経験と創造的思考力)を涵養する。

<居住環境学科>

「居住環境学科」においては、ディプロマ・ポリシーを踏まえて、4年間の学士課程によって、今日の技術者に求められる以下の(1)~(5)の基礎的素養から各種の専門的な知識・技術を学ぶとともに、それらを総合して、(6)にある総合的なデザイン力を修得し、主体的に課題解決に向けて取り組む力、またそのために不可欠となるプレゼンテーション能力、及びコミュニケーション能力といった技能を身につける。学ぶべき専門知識には、身の回りの生活用具やインテリアから、住宅、建築、居住地(地域)、都市に至る多様なレベルでの計画、設計、管理に関する理論と技術の学修が含まれる。

  1. 総合教養科目、初年次教育科目、情報リテラシー科目、外国語科目、健康・スポーツ科学科目(基幹教育科目)を主として1年次に配置する。人が居住することの意味を考え、まず「人間とは何か」を考えるための基礎的素養を身につける。人間とは何かを考える上での手がかりとなる哲学、倫理学、文学、社会学、経済学、法学などの基礎的知識を学ぶ。また空間構造を解析する基礎となる数学、物理学、地理学、情報学等の基礎を学ぶ。さらに美しい空間や物をつくるために必要な美学・心理学などを学ぶとともに美的感性を磨く。また、1年次に導入科目として居住環境学概論を置き、居住環境学科の特色である生活者としての視点の持つ意味や重要性、居住環境学における問題意識、倫理観を育む基盤を形成する。
    これにより人間生活と社会、文化、環境に関する総合的理解といったディプロマ・ポリシーに示した(知識・理解)の基盤を身につける。
  2. 2年次の専門基礎科目、3年次の専門応用科目によって、ディプロマ・ポリシーに示した(知識・理解)を身につける。住む人・使う人の視点を身につけるために、人の生活、住み方や行動、動作、心理・生理などの特性を学ぶ。その理解を基に、都市空間や居住地(地域)、住居などの居住環境に対する要求を把握し、さらにその要求を居住環境の設計・計画に反映させる技術を修得する。これらの知識・技術を修得するために主として計画系の専門科目である住居計画学や建築計画学などを配置する。専門知識を問う一般的な試験に加え、問題意識、論理的な展開を測る論述試験、レポートによって、学修成果を評価する。
  3. 2年次の専門基礎科目、3年次の専門応用科目によって、ディプロマ・ポリシーに示した(知識・理解)を身につける。都市空間や居住地(地域)、住居などの居住環境の計画や管理に関わる制度や仕組みについて学ぶ。良好な住まいを確保できないなどの住宅問題に対し、その問題の特質や発生するメカニズムを理解する実践的姿勢と共に、その改善に必要な制度や施策を立案できる計画技術を修得する。これらの知識・技術を修得するために、法規や制度に関わる専門科目である居住企画・経営論や建築・環境法規などを配置する。専門知識を問う一般的な試験に加え、法規集を使いこなす技能を測る試験、即日設計の中で適法性をチェックする試験によって、学修成果を評価する。
  4. 2年次の専門基礎科目、3年次の専門応用科目によって、ディプロマ・ポリシーに示した(知識・理解)を身につける。住宅や建物における構造の安全性や快適性について学ぶ。構造の安全性を確保するための適切で実践的な構法・構造計画や、その基礎にある構造力学や各種の構造学を学ぶ。また居住環境の快適性を確保するには、温熱環境・空気環境・光環境などに関する問題を総合的かつ実践的に解決する必要があり、それらの基礎となる環境工学と設備工学を学ぶ。これらの知識・技術・実践的技能を修得するために、建築構造・環境に関わる専門科目である構造力学1・2や居住環境工学1・2などを配置する。専門知識と計算力を問う一般的な試験、及びその意味を体感する実験によって学修成果を評価する。
  5. 2年次の専門基礎科目、3年次の専門応用科目によって、ディプロマ・ポリシーに示した(知識・理解)を身につける。環境・建築材料に関わる知識・技術・実践的技能を学ぶ。建物の安全性と密接に関係している材料強度などの物理的特性、シックハウス症候群や室内環境の汚染に関係する接着剤や塗料などの化学的特性を理解する。さらに木質資源材料に代表されるようなエコマテリアルに関する知識や、地球環境問題に対する造詣を深める。これらの知識・技術・実践的技能を修得するために、建築材料、施工に関わる専門科目である建築材料学や建築施工法などを配置する。専門知識と計算力を問う一般的な試験、及びその意味を体感する実験によって学修成果を評価する。
    これらの専門教育を通じて、ディプロマ・ポリシーに示した(知識・理解)、住宅、建築分野およびこれらに関連する自然科学、技術、工学、数学分野の知識・技術などを修得し、応用的に用いることができるようにする。
  6. 1年次から3年次までの設計製図によって、空間や物づくりのための総合的なデザイン力を修得する。1年次に基礎設計製図、2年次に設計製図1、設計製図2、3年次に設計製図3を置き、創造的デザイン力、及び実践的な技能を修得する。また、デザインや居住地(地域)を対象としたフィールドワークを実施する。個人または集団による作業によって作成する作品とそのプレゼンテーションによって学修成果を評価する。さらに、4年次に卒業研究をおく。
    これらにより、安全で快適な空間を創造的に計画し、計画案を図面や模型などの媒体を用いて他者に伝達することができる(技能)を修得させるとともに、企画から立案、実行に至る実践的な問題解決ができる(実践的姿勢)および修得した知識、技能を用いて、自ら探求あるいは他者との協働を通して、未知の知見を明らかにし、問題解決のための新たな解決策を提示することができる(統合的な学修経験と創造的思考力)を修得させる。

<⼈間福祉学科>

「人間福祉学科」においては、ディプロマ・ポリシーを踏まえて、以下の(1)~(8)を通じて、学修目標を達成するとともに、学生のキャリアデザインに応じた専門性の高い能力を身に付けさせる。本学科の特色に応じた4年間の教育を行うとともに、学部教育において、社会福祉士養成及び公認心理師養成も合わせて行う。

  1. 専門的な知識と方法を体系的に学ぶために、専門科目を設置する。人間の心身に関する専門知識、家族や社会の構造や生活課題に関する専門知識、人間と社会との関係に関する専門知識を体系的に修得する。専門知識を問う一般的な試験に加え、問題意識、論理的な展開を測る論述試験、レポートによって、学修成果を評価する。
  2. 人間福祉に関連した多様な基礎知識と基本的な学修能力を身につけるため、1年次、2年次に基幹教育科目として、総合教養科目、初年次教育科目、情報リテラシー科目、基礎教育科目、外国語科目、健康・スポーツ科学科目を置く。特に、人権に関する科目の履修を推奨する。専門知識を問う一般的な試験に加え、問題意識、論理的な展開を測る論述試験、レポートによって、学修成果を評価する。基幹教育を通じて、自然科学、社会科学、人間科学に関する知識をもつともに、専門教育の中で得た知識を統合し、社会生活を多面的にとらえるための(知識・理解)の基盤を形成する。
  3. 学際的な視点を養うため、1年次において、人間福祉に関連する諸科学を概観し、基本的な視点を獲得するための科目として人間福祉学概論を置くとともに基盤となる専門基礎科目を配置する。専門知識を問う一般的な試験に加え、問題意識、論理的な展開を測る論述試験、レポートによって、学修成果を評価する。
  4. 人間福祉にかかわる広範囲な知識を身につけるための専門共通科目を主として1年次、2年次に配置する。専門知識を問う一般的な試験に加え、問題意識、論理的な展開を測る論述試験、レポートによって、学修成果を評価する。
  5. 学生個人の関心を掘り下げることができるよう専門応用科目を3年次以降配置する。専門知識を問う一般的な試験に加え、問題意識、論理的な展開を測る論述試験、レポートによって、学修成果を評価する。
  6. 知識の活用能力、論理的思考力、課題探求力、問題解決力、プレゼンテーション能力、コミュニケーション能力等、社会生活において必須となる汎用的な能力を育成するため、人間福祉学演習を必修科目として3年次に置く。
    これらを通じて、ディプロマ・ポリシーで示した(知識・理解)、すなわち、自然科学、社会科学、人間科学に関する知識、生活と環境、個人と社会の関係、生涯にわたる人間の心身の発達や心理・社会的援助の理解、修得した知識の応用を達成する。対人援助の場面で求められるコミュニケーションの技能、生活課題を発見し、必要な情報の収集、複眼的・論理的分析、生活課題を解決するための社会資源の活用など、心理・社会的課題を解決するために必要な(技能)を修得する。
  7. 心理や福祉の実践的な能力を修得するため演習や実習科目を主として3年次、4年次に置く。これらの演習・実習を通じて、他者との協働、課題解決に向けた方策の立案、人権や社会正義に基づき、自分の責任で判断・行動する姿勢、自己理解と他者理解を深めていこうとする姿勢といった、ディプロマ・ポリシーで示した(実践的姿勢)を身につけさせる。
  8. 修得した知識や技術を統合し、人間福祉に関する現代の課題に接近し、その解決のための実践的・学術的能力を育成するため、4年次に卒論演習・卒業論文を必修科目として置く。
    これらを通じて、修得した知識・技能・実践力などを総合的に活用し、人と社会における新たな課題の解決に取り組むことができるといったディプロマ・ポリシーで示した(統合的な学修経験と創造的思考力)を修得させる。

なお、各学科とも上記の試験、レポート、授業中の小テストや発表などの平常点などの評価方法および評価基準については、授業内容の詳細とあわせてシラバスにおいて科目ごとに明示する。

また、生活科学部における学修成果を適切に把握するため、「⼤阪公⽴⼤学における教育の内部質保証に関する⽅針」に従って、アセスメントポリシーとアセスメントリストを定め、複数の評価指標・⽅法を⽤いて定期的に本学部の教育カリキュラムを評価する。各科⽬の学修成果は、科⽬の到達⽬標の達成状況を基準にした成績評価ガイドラインを定め、それに則した成績評価によって評価し、科⽬の到達⽬標および評価⽅法・評価基準はシラバスに明示する。

4年間の流れ

4年間の流れ

入学者受入れの方針 (アドミッション・ポリシー)と入学者選抜の基本方針

生活科学部は「健康」「環境」「福祉」を基礎概念とし、生活を取り巻く3分野を研究対象とする食栄養学科、居住環境学科、人間福祉学科の3学科から構成され、分野横断的な教育研究を行う。既知の問題を効率的に解く能力だけでなく、人間生活の多様な側面を新たな視点や感性によって捉え、自ら問題を発見して解決策を見出すことのできる人材の育成を目指す。
したがって、生活科学部では、次のような学生を求めている。

  • 本学部の学問分野に興味を持ち、将来にわたって学習を継続する意志を有する人
  • 学習のための基礎的能力を有し、論理的な思考を行うことができる人
  • 自己学習や協働を通して学問を探究し、自らの経歴を形成することができる人

<⾷栄養学科>

安全、安心な食環境の創造を通じた健康増進のために、食・栄養学をはじめ、化学、生物、物理、数学、英語などの基礎学力や、根拠に基づくプレゼンテーションや討論の技能を有し、社会や地域の食・栄養問題を解決することのできる人材の育成を目指す。
したがって、⾷栄養学科では、次のような学⽣を求めている。

    1. 食・栄養に関する学問分野に興味を持ち、将来にわたって学習を継続する意志を有する人
    2. 学習のための基礎的能力を有し、論理的な思考を行うことができる人
    3. 自己学習や協働を通して食品栄養科学や栄養生命科学を探究し、自らの経歴を形成することができる人

<居住環境学科>

新たな居住環境の創造のために、居住環境学をはじめ、科学、技術、工学、数学などの基礎学力や、根拠に基づくデザインやプレゼンテーションの技能を有し、社会や地域の居住環境問題を解決することのできる人材の育成を目指す。
したがって、居住環境学科では、次のような学⽣を求めている。

    1. 居住環境に関する学問分野に興味を持ち、将来にわたって学習を継続する意志を有する人
    2. 学習のための基礎的能力を有し、論理的な思考を行うことができる人
    3. 自己学習や協働を通して学問や居住空間のデザインを探究し、自らの経歴を形成することができる人

<⼈間福祉学科>

人口構造や社会構造の変化、地域社会の変貌にともなって生起する現代の生活課題を正確に把握し、多様で深刻な個人及び地域の課題に対応できる人材の養成を目指す。
したがって、人間福祉学科では、次のような学生を求めている。

    1. 人間福祉に関する学問分野に興味を持ち、将来にわたって学習を継続する意思を有する人
    2. 学習のための基礎的能力を有し、論理的な思考を行うことができる人
    3. 自己学習や協働を通して、人とかかわり、人を支えることに関心をもち、福祉課題を探求し、自らの経歴を形成することができる人
入学者選抜の基本方針

多様な人材を選抜するために、一般選抜、学校推薦型選抜、学校推薦型選抜(指定校)、国際バカロレア特別選抜、私費外国人留学生特別選抜を実施する。各選抜ではディプロマ・ポリシー、カリキュラム・ポリシーで示した(知識・理解)、(技能)、(実践的姿勢)、(統合的な学修経験と創造的思考力)の目標を達成するための基礎が備わっていることを確認するために、次の「学力の3要素」に関する成果に基づいて入学者選抜を行う。学校推薦型選抜(指定校)では前述の基礎学力等に加えて、将来食栄養学分野(研究、実践等)においてリーダーシップを発揮することができる能力を総合的に評価する。

【一般選抜、学校推薦型選抜】

  1. 知識・技能
    大学入学共通テストおよび個別学力検査等において一定の水準の成績を収めている。
  2. 思考力・判断力・表現力等の能力
    大学入学共通テストおよび個別学力検査等において一定の水準の成績を収めている。
  3. 主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度
    口述試験や志望理由書等の内容が優れている。

【学校推薦型選抜(指定校)】

  1. 知識・技能
    出願書類および口述試験・面接において一定の水準の成績を収めている。
  2. 思考力・判断力・表現力等の能力
    小論文および口述試験・面接において一定の水準の成績を収めている。
  3. 主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度
    口述試験・面接や志望理由書等の内容が優れている。

【国際バカロレア特別選抜】

  1. 知識・技能
    出願書類および口述試験において一定の水準の成績を収めている。
  2. 思考力・判断力・表現力等の能力
    小論文および口述試験において一定の水準の成績を収めている。
  3. 主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度
    口述試験や志望理由書等の内容が優れている。

【私費外国人留学生特別選抜】

  1. 知識・技能
    日本留学試験および個別学力検査等において一定の水準の成績を収めている。
  2. 思考力・判断力・表現力等の能力
    日本留学試験および個別学力検査等において一定の水準の成績を収めている。
  3. 主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度
    口述試験等の内容が優れている。