医学部医学科 3ポリシー
学位授与の方針 (ディプロマ・ポリシー)
<医学科>
医学科卒業時に獲得すべき実践的能⼒を、次のようなコンピテンスとして定めている。このコンピテンスを全て修得するものに対して、学⼠(医学)の学位を授与する。
- ①プロフェッショナリズム(智・仁・勇)
医療専⾨職としての⾃⼰の役割を理解し、⾼いモラルを持って患者中⼼の医療を実践できる。 - ②医学知識と問題対応能⼒(智・仁・勇)
必要な知識を⾝につけ、幅広い症候、病態、疾患に対応できる。 - ③診療技能と患者ケア(智・仁・勇)
患者の苦痛や不安感に配慮し、診療、臨床⼿技を実践することができる。 - ④コミュニケーション能⼒(智・仁・勇)
患者の⼼理・社会的背景を踏まえて、患者や家族と良好な関係性を築くことができる。 - ⑤チーム医療の実践(仁)
医療従事者をはじめ、患者や家族に関わる全ての⼈々の役割を理解し、連携できる。 - ⑥医療の質と安全の管理(仁)
患者にとって良質かつ安全な医療を理解し、医療従事者の安全性にも配慮できる。 - ⑦社会における医療の実践と⼤阪住⺠の幸福に貢献する⼒(智・仁・勇)
医療⼈として求められる社会的役割を理解し、地域医療、⼤阪の医療に貢献する⼒を獲得する。 - ⑧科学的探求(智)
医学及び医療における科学的アプローチを理解できる。 - ⑨⽣涯にわたって共に学ぶ姿勢(智・仁)
⽣涯にわたって⾃律的に学び、共に研鑽し、相互に教育することができる。
教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)と6年間の流れ
<医学科>
ディプロマ・ポリシーで定めたコンピテンスを獲得するために、医学部医学科では基幹教育・基礎医学教育(主に1~3年生)、社会医学教育ならびに臨床医学教育(主に4~6年生)を行っています。将来、「智・仁・勇」を備えた医師になることを自覚させるために、入学後早期から、医療現場に触れさせる機会を設けています(早期臨床実習)。低学年から臨床を意識した基礎・臨床統合教育を展開し、各教室の教員が連携して取り組みます。学年・科目を横断した一貫教育科目群を「医学研究推進コース」、「医療プロフェッショナルコース」として位置付けています。「医学研究推進コース」では、問題の本質を見抜き、自分で考え新たな知を創造できる人材を育成するため、第一線の研究者による最先端の研究内容に触れる機会を設け、基礎研究、臨床研究に必要な手法を学び、研究室配属では学生自らが研究に取り組みます。また、様々な患者と向き合いチーム医療を実践するためには豊かな人間力が必要です。「医療プロフェッショナルコース」では、倫理観、利他主義、コミュニケーション、行動科学、医療の質・安全について継続的に学んでいきます。4~6年生にはClinical Clerkship(CC)を実施し、学生が医療チームの一員として実際の診療に参加し、より実践的な臨床能力を身に付け、科学的思考に基づいた判断力・問題解決能力を備えた医師を育成する事を目的としています。
医学部医学科で学ぶ学生の学修成果を適切に把握するため、「⼤阪公⽴⼤学における教育の内部質保証に関する⽅針」に従って、アセスメントポリシーとアセスメントリストを定め、複数の評価指標・⽅法を⽤いて定期的に、本学科の教育カリキュラムの学修成果の評価を⾏います。また各科⽬の学修成果は、科⽬の到達⽬標の達成状況を基準にした成績評価ガイドラインを定め、それに則した成績評価を⾏うことで評価することとし、科⽬の到達⽬標および評価⽅法・評価基準はシラバスに明記します。
(基幹教育)
基幹教育は将来、社会人として役立つ素養を身につける(プロフェッショナリズム【智・仁・勇】)とともに、専門教育に対応できる下地を学ぶものと位置付けています。
(基礎医学教育)
基礎医学では、まず人体の構造と機能のしくみを分子レベルから個体レベルまで総合的に学びます。次に病気の概念、本態やその機序を系統的に学習します(医学知識と問題対応能力【智・仁・勇】)。また、細菌、ウイルス、医動物などの病原性、その感染機序、ならびに生体の免疫機構を学び、さらに薬物療法の基礎を学びます(医学知識と問題対応能力【智・仁・勇】)。基礎・臨床統合教育を展開し、疾患を基礎的な概念から疫学・症候・診断・治療まで統合的に学習することができます。
(社会医学教育)
社会医学では、健康事象の地域的・経年的分布、生活環境要因の健康への影響、地域・国・世界の保健システムとその役割(生涯にわたって共に学ぶ姿勢【智・仁・勇】)、および法的問題と関わる心身の変化、反応、病的現象や障害などを学習します(医学知識と問題対応能力【智・仁・勇】)。さらに将来、医師として必要な幅広い知識と教養を身につけます(プロフェッショナリズム【智・仁・勇】)。
医学研究推進コース3は3年生の終わりの約3ヶ月、基礎・社会医学系教室や研究室に学生を配属して実施され、教員の指導のもとに、特定のテーマについて学生が自ら研究します(科学的探求【智】)。
(臨床医学教育)
臨床系の臓器別講義は4年生から始まります(医学知識と問題対応能力【智・仁・勇】)。ひとつの臓器を系統的に学べるよう基礎、内科、外科等にとらわれない統合型の授業、教え過ぎず学生が主体的に取り組む能動学習、問題解決型講義を積極的に導入しています。
臨床実習に必要とされる技能は、学生同士のロールプレイや聴診、エコーなどの豊富なシミュレーション教育を用いて学習し(診療技能と患者ケア【智・仁・勇】)、共用試験CBT(知識を問う試験)、及びOSCE(態度、技能を問う試験)を受験します。
試験合格後、外来臨床実習(外来型CC)に進みます(コミュニケーション能力【智・仁・勇】)。5年生では、全ての診療科を5つのユニットに分け、ローテートする参加型臨床実習(ユニット型CC)を行います(診療技能と患者ケア【智・仁・勇】)。ユニット型CCでは、臨床研修医になった時に、少しでも臨床を円滑に実践できるように講義時間を最小限に留めて、実習時間を増やしています(コミュニケーション能力【智・仁・勇】)。診療技能や態度はmini CEXなどの評価を用いて、適切にフィードバックを行い臨床現場で必要となる対応能力を養います。
6年生になると、さらに幅広い臨床技能を修得し、医療現場での経験を充実させるために、医学部附属病院、ならびに教育関連病院での選択型CCがあります(社会における医療の実践と大阪住民の幸福に貢献する力【智・仁・勇】)。選択型CCは4週間x5クール(20週間)実施しています。(生涯にわたって共に学ぶ姿勢【智・仁・勇】)。選択型CCにおける教育関連病院および診療科の選択と調整に関しては、学生の自主性を尊重しています(プロフェッショナリズム【智・仁・勇】)。
6年間の流れ
入学者受入れの方針 (アドミッション・ポリシー)
<医学科>
医学科のディプロマ・ポリシー及びカリキュラム・ポリシーの基礎となっている、「智・仁・勇」の三つの基本理念を理解する素地を有する下記の学⽣を求めている。
- 智は医学を推進する旺盛な向学⼼と知識を意味し、これらを有している⼈
- 仁は⼈への博愛の⼼を意味し、⼈を包みこむ広い⼼を有している⼈
- 勇は医療を実践する決断の勇気を意味し、積極的な⾏動を起こせる⼈
これらの基本理念を有し、⾃ら学習課題を設定し、その課題に向かって勉学に励める⼈の⼊学を希望する。