獣医学部 3ポリシー
学位授与の方針 (ディプロマ・ポリシー)
本学部では、動物と⼈、環境が共存・共栄できる社会の構築を理想と考え、動物の医療・福祉の向上、動物および⼈の病気の予防や健康の増進、環境の健全化に貢献できる能⼒を、国際標準の教育⼿法に準拠して教授する。さらに、⽇々発展する⽣命科学の新しい知⾒と技術を追求しつつ新たな科学技術を開拓できる⼈材養成を⽬的として、研究開発能⼒とプレゼンテーション能⼒を教授する。これらにより、国際的に活躍できる実践⼒を有し、⾼い倫理観と応⽤⼒、協調性を備え持った、広く⽣命科学の発展に資する問題解決型の⼈材を養成することを、本獣医学部・獣医学科の教育研究上の理念・⽬的とする。
この⼈材養成の⽅針に基づき、以下の能⼒を⾝に付けたものに学⼠(獣医学)の学位を授与する。
- ⾃然科学から⼈⽂・社会科学に⾄る幅広い教養と⾼い倫理観を⾝に付けている。
- 専⾨領域の以下の項⽬に関わる知識を有し、問題解決に応⽤できる能⼒を⾝に付けている。
- (ア) 細胞、組織から器官形成に⾄る動物の構造・機能
- (イ) 動物細胞を構成する要素の性状・役割、それらが統合して機能を発揮する仕組み
- (ウ) ⾷品・環境に由来する外的因⼦や薬物の⽣体への影響
- (エ) 病原体の特性と感染成⽴への理解、感染症の予防
- (オ) 動物の疾病の成因・修復機序、診断・治療・予防
- 獣医学分野の広範な問題に取り組み、問題解決のために必要とされる情報収集と研究開発能⼒、得られた情報を社会に還元するために必要とされるプレゼンテーション能⼒を⾝に付けている。
- 獣医師の社会的使命と責務を理解し、動物と⼈との共⽣、環境との調和に貢献する能⼒を⾝に付けている。
- 地域および国際社会で活躍するために必要なコミュニケーション能⼒と協調性を⾝に付けている。
このような理念に基づき養成された⼈材は、獣医学の根幹をなす深い知識と科学リテラシーを⾝につけ、またそれに基づいて⾼度獣医療、⾷品の安定供給、新興・再興感染症、⼈と動物の共⽣などの諸問題を解決する知識、技術とコミュニケーション能⼒を有するものと期待できる。
社会がますます多様化、複雑化することを受けて、上記課題解決能⼒に対する社会ニーズは今後も益々増⼤する中(⽇本学術会議提⾔「わが国の獣医学教育の現状と国際的通⽤性」、2017年3⽉)、国内に存在する限られた獣医師養成機関の1つとして、その需要を担う役割を果たすことが本獣医学部・獣医学科設置の責務であると考えられる。
教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)と4年間の流れ
学位授与に必要とされる能⼒(ディプロマ・ポリシー)を養うために、以下の⽅針で教育課程を編成する。獣医学部での各専門科⽬の成績評価の方法は、科⽬の到達⽬標の達成状況を基準にした成績評価ガイドラインを定め、それに則した成績評価を⾏うこととし、その評価⽅法や基準については、授業内容の詳細とあわせてシラバスにおいて科⽬ごとに明⽰する。本学部で学ぶ学⽣が身に付けている学修成果を適切に把握するため、「⼤阪公⽴⼤学における教育の内部質保証に関する⽅針」に従って、アセスメントポリシーとアセスメントリストを定め、複数の評価指標・⽅法を⽤いて定期的に、本学部の教育カリキュラムの学修成果の評価を⾏う。以下が教育課程の編成⽅針である。
- 自然科学一般、さらには人文・社会科学に至る教養を幅広く修得し、高い倫理観をもち、グローバルな視点から物事を考えることのできる素養と能力を養う。
- 動物の生体諸機能を維持するための細胞、組織から器官形成に至る知識を修得し、問題解決に応用できる能力を養う。
- 動物細胞を構成する様々な要素の性状・役割とその統合に関する知識を修得し、問題解決に応用できる能力を養う。
- 食品・環境に由来する外的因子の生体への影響に関する知識を修得し、問題解決に応用できる能力を養う。
- 病原体の特性と感染症成立についての理解およびその予防に関する知識を修得し、問題解決に応用できる能力を養う。
- 動物の病態の成因・修復機序および疾病診断に関する知識を修得し、問題解決に応用できる能力を養う。
- 動物における種々の疾病の診断・治療・予防に関する知識を修得し、問題解決に応用できる能力を養う。
- 獣医学分野の広範な問題に取り組み、問題解決のための調査・研究の手技・手法を修得するとともに、ドキュメンテーションやプレゼンテーションの能力を培う。
- 獣医師の社会的使命と責務を理解し、その責務を果たすべく適切に行動する能力を養う。
4年間の流れ

入学者受入れの方針 (アドミッション・ポリシー)と入学者選抜の基本方針
本学部は、本教育課程を卒業するためには、基礎獣医学、病態獣医学、応用獣医学と臨床獣医学の各科目群の習得を課すと共に、加えて獣医師としての実践能力と動物生命科学者としての研究能力を醸成させる教育を行う。このような教育を通して、単なる動物の専門家たる獣医師ではなく、動物生命科学の専門性を有しつつも、国際社会が抱える人文科学分野、生命科学分野の諸問題の解決能力をも有する人材の育成を目指す。
したがって、本学部・学科では、次のような学⽣を求める。
- 動物に対する先端医療、人間と動物の共生、国内及び国際的に問題となっている感染症、及び安全な食料の安定供給について学ぶことに対し明確な目的意識を持ち、社会の持続的発展に貢献する意欲を持っている人
- 生物学、科学全般に幅広い興味を持ち、論理的な思考力・判断力・表現力と自ら進んで学ぶ探求心を持っている人
以上に基づき、次の1〜3の能⼒や適性をもつ学⽣を選抜する。
- 大学入学共通テストを課すことによって、高等学校教育において習得すべき科目の内容を広く学習し、高い基礎学力を有していることを確認する。
- 個別学力検査によって、数学、英語、生物学、物理学、化学に関する思考力・判断力・表現力を確認する。
- 特別選抜では、調査書、推薦書、志望理由書、活動報告書、英語4技能試験成績証明書、面接、小論文等により、獣医師としての適性、論理的な思考力、科学全般への幅広い興味や自ら進んで学ぶ探求心、さらに多様な人々と協働して学ぶ態度や国際的な視野を持っているかを確認する。
入学者選抜の基本方針
学生の選抜方法は一般選抜の前期日程に加えて4種類の特別選抜を用意し、多様な人材の受け入れを目指す。一般選抜前期日程では高い基礎学力と論理的な思考力・判断力・表現力を有する学生を求める。特別選抜の学校推薦型選抜では、前述の基礎学力等に加えて、獣医学への関心と学習意欲が高く、世界の獣医療、獣医学において指導的役割を担う獣医師、獣医学研究者になろうという志を持つ学生を受け入れる。帰国生徒・私費外国人留学生特別選抜では海外での学習経験を有し、国際的な視野を持つ学生を受け入れる。特別選抜の産業動物獣医師地域枠では、卒業後に産業動物獣医師に就業する意志が明確な学生を求める。なお、私費外国人留学生特別選抜では日本留学試験の成績提出を課すことで、十分な日本語能力を有することを評価した上で選抜する。