学長メッセージ

辰巳砂学長2308

大阪公立大学は、大阪市立大学、大阪府立大学が統合して2022年4月に新たに誕生した公立総合大学です。
両大学はいずれも約140年の歴史を誇る公立大学ですが、両大学のこれまでの歩みは大きく異なっています。市立大学は五代友厚らが1880年に設立した「大阪商業講習所」が源流です。1949年に新制大学「大阪市立大学」が誕生してから今日に至るまで伝統を守り続けてきました。一方で府立大学は、1883年に設立した「獣医学講習所」を源流に府立農学校や大阪工業専門学校などが統合され、1949年に「浪速大学」が発足しました。その後、1955年に大阪府立大学に改称後も福祉系や看護系の大学と統合を行い、2012年には学部・学科を再編し、学域・学類制に改組するなど進化を続けてきました。
このような両大学の歴史や文化の違いこそが最大の強みであり、この統合をさらなる進歩の機会と捉え、多様な価値観が創造されると確信しています。特に研究面では非常に相補的な関係で、フルラインナップの学問分野が揃っており、多くの分野でシナジー効果を発揮できると考えています。医工連携や防災、エネルギー関連をはじめ、世界レベルの高度研究型大学を目指しています。
開学にあたってのキャッチフレーズを「総合知で、超えていく大学。」としています。予測不能な社会を生きる私たちに求められるものの一つが「総合知」です。複雑な社会課題を解決に導くには、個々の「専門知」を深め、しっかりと土台を築き上げ、他領域を融合し、「総合知」で挑むことが重要と考えています。
12学部・学域、大学院15研究科を擁する大阪公立大学では、諸課題に対処できる力を養うためのユニークなカリキュラムを数多く用意しており、「総合知」を体感することが可能です。学生一人一人が自分自身を思い通りに磨いていける大学だと自負しています。

学長 辰巳砂 昌弘