国際化推進本部長挨拶

国際化推進本部長 坪田誠

国際化推進本部長を拝命いたしました、坪田誠です。本学において重要な要素である「国際化」を担当することに、大きなやりがいと責任を感じております。
大阪公立大学は、大阪の発展をけん引し、日本のみならず世界の成長を促す原動力となることをめざし、基本構想において次の5つの要素を「国際化強化」のための指針として挙げております。

  1. 高度な研究力を基盤とした国際競争力の強化
  2. グローバル人材を育てる教育プログラムの展開
  3. 海外ネットワークを活用した都市シンクタンク機能強化
  4. 留学生の入口から出口までのサポートの充実
  5. 教職員のグローバルマインド醸成と組織力の強化

 

いずれも、国際的研究大学をめざす上で欠くことのできない要素です。まずは、統合前の両大学において有効性の高かった事業を引き継ぎ、内容を改良しながら継続させつつ、新大学のニーズや課題に即した新たな対策を加えて進めて参ります。その際に重要となるのは、学内の横連携の強化です。国際化は、学内のすべての部署において重要テーマであり、国際担当だけが張り切っても大きな効果を得ることができません。関連部署と緊密なコミュニケーションを取りつつ、スピーディーかつ柔軟な姿勢で取り組んで参ります。

ところで、「国際化」は大学の装飾であってはならず、学生および教職員に豊かな学習・研究環境をもたらすために行うものです。私は低温物理学を研究する理論物理学者です。私が学生だった1980年代は、今ほど容易に海外に行ける時代ではありませんでした。初めて外国に行ったのは29歳の時で、崩壊直前の旧ソ連とラトビア共和国を訪れました。まさに驚きに満ちた旅でした。その後、現在に至るまで数十カ国に出張し、多くの国際会議発表、共同研究を行ってまいりました。こうした国際的な学術交流が、私自身にとって、一人の人間として、また物理学者としての視野を広げ、研究のアクティヴィティを大いに高めたのは事実です。大学の教員になってからは、研究室の学生にできるだけ国際的な学術交流経験を積むよう指導し、それが学生達の成長につながりました。そのような自分の経験を生かして、国際化推進本部長の任に励みたいと考えております。

最後になりましたが、本学の国際活動のさまざまな局面において、卒業生の皆様、保護者の皆様、教育・研究パートナーの皆様、寄付やお気持ちをお寄せくださっている皆様などから多くのサポートを頂戴しており、深く御礼を申し上げます。今後も本学の国際活動をあたたかく見守っていただけましたら幸いでございます。

国際化推進本部長
坪田 誠