お知らせ

聞き取り困難症 最新研究講演会・支援機器体験会を開催

2024年3月19日

  • 医学研究科
  • 研究

2024年317日(日)、杉本キャンパスにて、医学研究科 耳鼻咽喉病態学 阪本 浩一准教授が研究代表を務める研究チームと近畿LiD/APD当事者会が共同で、聞き取り困難症に関する最新研究講演会および聞こえを補う機器の体験会を開催しました。当日は、約120人の当事者や医療・福祉関係者、研究者が参加しました。

聴覚情報処理障害(Auditory Processing Disorder: APD)やLiDListening difficulties)と呼ばれる「聞き取り困難症」は、聴力検査では正常範囲で問題ないと診断されるにも関わらず、脳の聴覚情報の処理や認知が原因で、聞こえているのに聞き取れない、聞き間違いが多いなど、聞こえた音声を理解することが困難である症状のことです。小児から成人まで多くの人が日常生活で困難を感じているにも関わらず、日本においては、診断基準などは未だ定まっていません。

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阪本准教授らの研究グループは、診断基準の第一案となる「LiD/APD診断と支援の手引き」を作成し、阪本准教授が本講演で初めて公開しました。講演後の質疑応答では、事前に参加者から寄せられた質問に3名の登壇者が回答。当事者の方が就職する際や、仕事場における環境作りのポイント、学校へ求める合理的配慮についてなど、さまざまな視点の多数の質問に対して、時間が許す限り具体的にアドバイスが行われました。


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講演会の様子
阪本 浩一准教授

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質疑応答の様子
(左から)市立池田病院 耳鼻いんこう科 中川 あや先生、阪本准教授、東海学院大学 小川 征利講師

今回の講演会・機器体験会は、聞き取りで困難を感じている当事者の方だけでなく、広く一般の方々に対しても「聞こえ」の多様性への理解を深める良い機会となりました。

なお、「LiD/APD診断と支援の手引き」の内容は、LiD/APDに関する阪本准教授らの研究グループ特設Webサイトhttps://apd.amed365.jp/index.shtmlにて公開されています。

問い合わせ先

広報課
TEL06-6605-3411
E-mailkoho-list[at]ml.omu.ac.jp

※[at]を@に変更してください

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