
お知らせ
大阪市立大学名誉教授が令和7年春の叙勲を受章
2025年4月29日
- 受賞
2025年4月29日(火)、令和7年春の叙勲受章者の発表があり、大阪市立大学名誉教授をはじめ多数の関係者が受章しました。心よりお祝い申し上げます。
※ご本人から掲載承諾を頂いた受章について記載しております。
瑞宝中綬章
山田 優(やまだ まさる)
大阪市立大学 名誉教授
受章コメント
春の叙勲におきまして瑞宝中綬章をいただき、大変光栄に思っています。これは、ひとえに大阪市立大学で永く教育研究に携わることができたお陰です。大学院修士課程を修了後いったん大阪府庁に技師として勤めましたが、すぐに大学に教員として戻り、以来38年間お世話になりました。土木工学の範疇ながら異なる分野を専攻された3名の教授の研究室に所属し、広く種々の分野の科目について勉強することができ、教授に昇任後、他の教育機関の卒業生を含む多くの人達を研究室に迎え、多岐にわたるテーマで教育研究活動を行うことができました。多数の博士論文の指導もさせていただきました。また学外での各種委員会、審議会の委員も務めることになりました。特に運よく高速道路等のインフラ整備が盛んに行われた時期であり、建設材料の供用性能の評価や建設工事における資源循環技術の開発研究は注目されたように思います。それらの活動は多くの学生、院生および学内外の研究者、技術者とともに行ったものであり、皆さんに心より感謝申し上げます。今後も、大阪公立大学がますます恵まれた教育研究の場となりますよう願っています。
略歴
1965年3月 大阪市立大学 工学部土木工学科 卒業
1967年3月 大阪市立大学大学院 工学研究科修士課程 修了
1967年4月 大阪府水道部技師
1968年4月 大阪市立大学 工学部 助手
1976年4月 大阪市立大学 工学部 講師
1983年4月 大阪市立大学 工学部 助教授
1991年4月 大阪市立大学 工学部 教授
2006年4月 大阪市立大学名誉教授称号授与
専門分野:土木材料学、建設リサイクル工学
業績
山田名誉教授は、土木材料学、特にアスファルトを用いた舗装材料や舗装工法に関する教育・研究に長年従事され、アスファルト舗装材料の変形・劣化に関する数多くの研究論文を執筆されました。透水性舗装や排水性舗装などの新しい舗装構造に用いるための材料特性の解明や、高齢者や身体障害者の歩行を考慮した道路面の滑りやすさや硬さなどの新しい評価手法の考案など、舗装材料研究の発展に大きく寄与されています。
加えて、建設リサイクル工学の分野では、道路工事で発生する掘削残土や建設廃棄物として多量に排出される廃コンクリートを舗装材料やコンクリート材料などとして再利用する研究を実施されました。材料物性および環境特性の評価に加え、再生コンクリート構造物の長期的性能検証までを実施され、わが国における建設廃棄物の法制度化と再生利用に大きく貢献されました。
これまでに著書13編、査読付き学術論文97編を発表されており、博士論文の主査・副主査として多くの人材育成にも貢献されました。さらに、土木学会や資源・素材学会をはじめとする多くの学会で委員長や理事等の要職を歴任され、産官学連携の場の形成にも尽力されました。
これらの顕著な業績により、日本材料学会や日本建築学会の技術賞や、日本砕石協会の技術業績賞、(財)国土開発技術研究センターの建設技術開発賞奨励賞、関西道路研究会の優秀研究賞など、数多くの賞を受賞されています。