お知らせ
中百舌鳥キャンパスのシンボルツリー再生プロジェクトを実施中
2025年7月22日
- 学生の活動
- 教育
中百舌鳥キャンパスの中心にある大きなクスノキは、キャンパスのシンボルとして長年親しまれ、学生会館前の広場「くすの木広場NExST」の愛称にもなっています。このクスノキは、1970年代に植樹されたと推定され、近年は衰弱が目立ってきました。2025年6月24日~30日にかけて、現代システム科学域 環境社会システム学類の環境デザイン学研究室と、農学部 緑地環境科学科の地域生態学・緑地計画学・水資源環境学の研究グループが合同で、シンボルツリーの再生を目指し、「大地の再生」という伝統土木のデザイン手法を使った樹勢回復の工事を実施しました。
今回の方法は、環境デザイン学のハナムラ准教授によるネイチャーエンゲイジドアート(自然関与型芸術)のアプローチで、クスノキと土中の微生物と利用者が一体となった生きた環境彫刻「ROOT」として仕上げられています。クスノキが呼吸できるように水と空気の流れを促す溝が周囲に堀られ、その内側にも地下から地上への流れをよくするための複数の点穴を開けて地中に隙間を作っています。
また、地表部分に設けられた渦巻く巨大な根をイメージさせるランドアートは、地上部に出ていたクスノキの根を保護する役割と同時に、微生物を活性化させるために落葉や枯れ枝などの有機物が層状に積み重ねられています。このアートは座ることもでき、これまで使われていなかった樹下の空間に学生たちが憩える場所を提供しています。
引き続き、クスノキ再生に向けた対応と経過観察を行ってまいります。
参加学生コメント
甲斐 義隆さん(現代システム科学域 環境社会システム学類3年)
プロジェクトに参加する前からこのクスノキの存在は知っていましたが、木の状態までは意識していませんでした。この企画で木が傷んでいることを知り、手入れをしたことによって、身近に感じられるようになりました。
今後は都市の環境デザインについても学びたいと考えています。都市にも自然がありますが、街路樹などはデザインとして使用されていて、木自体のことがあまり考えられていないと思います。今回のプロジェクトを通じて、生き物として木を捉えられるようになり、都市の中でどのように植物が生きているかをより理解できてよかったです。

大地の再生士 西尾 和隆氏による学生への説明

溝掘りの作業

微生物活性化のため学内の落葉・枯れ枝を使用

環境変化調査のために土壌を採取

樹下での環境デザイン学研究室ゼミの様子

工事後のクスノキ
お問い合わせ
企画部 広報課
Eメール:koho-list[at]ml.omu.ac.jp ※[at]の部分を@に変更してください。
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