お知らせ
株式会社セルフォールドを大学発ベンチャーとして認定
2025年9月18日
- 産学官連携
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本学は2025年8月29日、株式会社セルフォールドを大阪公立大学発ベンチャー企業として認定しましたので、お知らせいたします。
株式会社セルフォールドは2025年8月5日に設立されたベンチャー企業であり、大阪公立大学大学院医学研究科の福本 真也准教授と近畿大学の古薗 勉教授が開発を始めた、注射可能な移植向け細胞足場Injectable Cell Scaffold(ICS)を軸とした、再生医療分野に特化した製品・サービスを開発しています。
代表者が治験調整医師として、2023年10月より、「重症下肢虚血に対する自家末梢血単核細胞担持ICS移植による血管新生療法」の探索的臨床(医師主導治験)を開始しており、この事業化を目的として創業しています。
医学研究科臨床医科学専攻 福本 真也准教授のコメント
近年、糖尿病をはじめとした生活習慣病や慢性腎不全の患者が増加し、その合併症である動脈硬化性の重症下肢虚血によって、下肢切断の危機に瀕する方々が増えています。また、膠原病や血管炎といった病気では、より末梢部分の血流障害によって手足に痛みや難治性の潰瘍をきたし、その治療に難渋している方々も多くおられます。比較的太い動脈の狭窄や閉塞は、バイパス手術やカテーテル治療によって良好に改善しますが、膝より末梢部分の動脈閉塞や、手足の末梢循環障害では、決定的な治療が殆ど無いのが現状です。このような四肢切断の危機に瀕している方々に対して、自己の骨髄や末梢血中から採取した未分化な細胞を虚血部分に筋肉注射で移植する血管新生・再生療法が2000年から始まりました。大阪公立大学医学部附属病院でも2002年からこの移植治療を行い、ある程度の治療効果が得られましたが、その効果は限定的で満足の得られるものではありませんでした。しかし、私達はその臨床データの解析や動物実験によって治療効果が低下する原因を解明し、それを解決するために、ナノセラミック工学のスペシャリストである近畿大学の古薗勉教授、グンゼ株式会社、ソフセラ社(現バイオX社)との共同で、組織内での細胞保持性が高く、移植細胞と混合して注射可能なマイクロサイズの生体分解性細胞足場であるinjectable cell scaffold (ICS)を開発するに至りました。更に、再生医療のトップランナーである兵庫医科大学の山原研一教授の協力によって、2023年10月より「重症下肢虚血に対する自家末梢血単核細胞担持ICS移植による血管新生療法」の医師主導治験が行われ、その臨床応用が始まっています。ICSは様々な細胞移植効果を増強する可能性が高く、広くその他の組織再生医療分野への応用も期待されています。株式会社セルフォールドでは、ICSを軸とした、再生医療分野に特化した製品・サービスを開発・提供します。私達は、再生医療を必要とする世界中の患者様に安価で安全かつ有効性の高い治療を届け、病気で苦しむ人々が再び安らかな生活を取り戻せるよう貢献したいと考えています。
株式会社セルフォールドについて
【本社所在地】
東京都中央区銀座1丁目12番4号N&E BLD. 6F
【代表者】
代表取締役 山原 研一
【概要】
- 設立:2025年8月5日
- 資本金:100万円
- 顧問
- 工学担当 古薗 勉教授(近畿大学大学院生物理工学研究科)
- 医学担当 福本 真也准教授(大阪公立大学大学院医学研究科)
- 知財担当 竹田 英樹 (株式会社 Medical Patent Research 代表取締役)
- 事業内容
- 再生医療等製品の製造・研究
- 医療機器製造業
- 学術研究および専門・技術サービス業の提供
問い合わせ先
産学官民共創推進室
E-mail: gr-sngk-sucsuc[at]omu.ac.jp
※[at]を@に変更してください。
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