お知らせ
令和8年 学長による年頭挨拶
2026年1月9日
- 学長室

新年、あけましておめでとうございます。
本日は、年の初めのお忙しい中に、会場にご参集いただき、また、オンラインでご視聴いただきまして、誠にありがとうございます。部局長の先生方をはじめ、教職員の皆さまには、日頃より本学の教育、研究、社会貢献、そして大学運営の各面でご尽力を賜り、心より御礼申し上げます。
昨年4月の学長就任以来、約9か月が経ちました。この間、皆さまの率直なご意見と温かいご支援に支えられ、こうして新しい年を迎えられましたことに、あらためて深く感謝申し上げます。
年頭にあたり、昨年を振り返ったうえで、今年一年の方向性を、皆さまと共有したいと思います。
本学は、2022年4月の開学から4年目を迎えました。昨年4月には、学士課程およそ3,000名、大学院およそ1,600名、合わせて約4,600名の新入生を迎えることができました。学士課程については、6年制の学部を除き、1年生から4年生までがすべて大阪公立大学の学生となり、新大学としての「かたち」が整いつつあります。志願者数も4年連続で増加傾向を示すなど、本学への期待が着実に高まっていることを、心強く受け止めています。
今春には、学士課程として初めての卒業生を社会へ送り出す節目も控えています。本学の卒業生が社会の第一線で力を発揮していくこと、その積み重ねが、そのまま大阪公立大学への信頼と評価につながっていきます。
また、昨年、文部科学省から創薬科学研究科の新設が認可され、この4月より博士前期・後期課程の教育がスタートします。
そのような中で、昨年、何よりも大きな取り組みとなったのが、9月24日の森之宮新キャンパスの開設と共用開始です。森之宮キャンパスには、全学の新入生約3,000名を含む、およそ6,000名の学生・教職員が集い、基幹教育と専門の教育研究が動き始めました。新キャンパスの実働は、森之宮担当の教職員はじめ、全学の教育担当教員など、多くの関係者のご尽力により支えられています。とりわけ、国際基幹教育機構、文学研究科、リハビリテーション学研究科、生活科学研究科食栄養分野など、移転に関わった部局の教職員・学生の方々、また、施設部をはじめ関係部署の職員の方々には、日常業務に加え、移転作業と新環境の立ち上げに、高い責任感のもとで献身的に取り組んでいただきました。おかげをもちまして、後期からの教育研究活動を、大きな混乱なく開始することができました。関係されたすべての皆さまに、心からの敬意と感謝を申し上げます。アジアラウンドテーブルなど、開設記念の行事も重ねながら、本キャンパスは、着実に歩みを進めております。関係各位のご尽力に、重ねて御礼申し上げます。
さらに、昨年、4月から10月まで半年間にわたり開催された大阪・関西万博においては、本学が企業と共催し、独自のパビリオンを出展する機会を得ました。人工光合成をはじめ、本学の特色ある最先端研究の一部を、未来社会を見据えた文脈で社会へ発信できたことは、大きな成果であったと思います。加えて、万博運営における医療支援や、学生ボランティアの参加など、本学が総合大学として果たし得る貢献も積み重ねることができました。

大学運営の面では、新執行部体制のもと、次代を担う40代の若手教員8名を学長特別補佐として任命するなど、変化の時代に対応できる体制づくりも進めてまいりました。こうした取り組みも、すべては教育研究の質を高め、社会の信頼に応えるための土台づくりです。
そのような中で、本年は、昨年「始動」したものを、「実働」していく年であると思います。
今年は、森之宮キャンパスが4月から本格稼働します。それに伴い、様々な課題も予想され、現場の連携がより重要になってまいります。皆さまのご理解・ご協力を、よろしくお願い申し上げます。
また、今年度(2025年度)から、第2期中期目標・中期計画の期間(2025年度〜2030年度)に入りました。私たちは高い目標、いわゆるチャレンジ指標を掲げ、スタートを切りました。目標を掲げた以上、実行し、成果として示していくことが求められます。
その柱の一つが、J-PEAKS事業の推進です。今年で3年目を迎え、来年度には中間評価を控えています。昨年までに、教員・研究者が研究に専念できるよう、URAや技術職員の人事制度改革と組織化、共用研究機器センター(OShaRE)の開設など、研究支援体制の整備を進めてきました。今年はそれを実動させ、研究成果や人材育成といった「実質」に結びつけていく段階へと進んでいきます。同時に、異分野融合で社会課題の解決をめざす「MulCoプロジェクト」を本格的に稼働し、その成果を分かりやすい形で社会に示していくことが重要です。このJ-PEAKS事業は、大学の研究力強化に向け、全学あげて取り組むことが重視されています。部局長の皆さまはもとより、一人も多くの教職員・学生の皆さんが、積極的に参画していただくことをお願いします。
もうひとつは、DXによる大学運営の効率化と省力化の取り組みです。昨年までに準備を重ねてきたDXを、今年は実装する段階に移行していきます。これは、結果的に現場の負担を減らし、教育研究に振り向けられる時間を増やして、教育研究の質とスピードを押し上げることにつながると考えています。 これには、教育研究の現場を担う教職員の皆さまの、理解と協力が不可欠です。推進にあたっては、目的と手順を丁寧に共有し、しっかりと意思疎通を図りながら進めてまいりたいと思います。
いま申し上げたような「実働」の積み上げは、今年一年だけのものではありません。私は今年という一年を、数年先、そして数十年先の将来に向けて、本学の土台をもう一段確かなものにしていく一年だと捉えています。その歩みは、日々の教育研究と大学運営の堅実な積み重ねの上にあります。
そのために、特に重要なのは、これまで各部局でも、精力的に取り組んでくださっている、「研究力の強化」と「国際化の加速」ではないでしょうか。
高度研究大学を標榜する本学にとって、各研究領域において、研究力強化の重要性は、言うまでもありません。そのためには、優れた能力を持つ研究者、特に優秀な若手研究者や大学院生が、じっくりと腰を据えて、独創的な研究テーマにチャレンジできる研究環境の整備と、その為の支援の充実が極めて重要です。今年は、特にこの点に重点を置いて、皆さまと知恵を出しあって取り組んでまいりたいと思います。
「国際化の加速」についても同様です。今や、研究分野によらず、教育も研究も、世界を見据え、国際的視座に立って行うことが不可欠になってきており、国際化は決して一部の部局だけの課題ではありません。その意味で、本学の国際化には、まだまだ「のびしろ」があり、その加速は教育・研究の質を高める上で、喫緊の課題です。特に、若手教員や大学院生の海外派遣、優れた研究者の招聘、留学生の受入れ、こうした「人の流動」を核に、国際ネットワークを実際に動かし、教育研究の現場にまで浸透させていきたいと思います。その具体策として、外国人研究者を含む国際的教員の戦略的採用、「国際研究拠点」や「海外研究拠点」の整備、全研究科での英語による学位取得の拡充や、秋入学の導入に向けた制度設計など、学内でのコミュニケーションを丁寧に重ねながら、着実に進めてまいります。これらの取り組みを、未来に向けた本学の成長・発展の確かな土台作りの基本に据えてまいりたいと思います。
ただ、ここまで申し上げてきた方針や計画は、学長や執行部だけで実現できるものではありません。森之宮キャンパスの運用、第2期中期目標の達成、研究力の強化や国際化の加速、さらにはDX推進も含めた大学運営の効率化も、最終的には、各部局の日々の教育研究や大学運営の現場で実働することで形になります。実際に大学を動かしているのは、現場の教職員の判断と実践であり、その中心におられるのが、本日、お集まりの部局長の先生方です。実際の現場では、限られた予算と人員、限られた時間の中で、教育研究を前に進めながら、同時に、学生支援や組織運営の課題にも向き合っていただいています。こうした状況のもと、日々大学を支えてくださっている皆さまのご尽力に、あらためて深く感謝申し上げます。
今年、本学として初めての卒業生を社会へ送り出す節目を迎えます。それは大学にとっても大きな喜びであると同時に、これまで積み重ねてきた教育の営みが、はじめて社会の中で確かな形となる年でもあります。学生一人ひとりが誇りと自信をもって次の一歩を踏み出せるよう、これからも、その歩みを後押ししていきたいと思います。 その積み重ねが、本学の価値となり、信頼となり、次の世代へと受け継がれていくのだと思います。
昨年、森之宮キャンパスの開設・始動をはじめ、例年にない取り組みを支えてくださった皆さま、そして、すべての方々に、あらためて心から感謝申し上げます。本年も、皆さまと丁寧にコミュニケーションを重ねながら、本学が地域と世界から信頼され続ける大学をめざして、着実に歩みを進めてまいります。
本年が、皆さま一人ひとりにとって、そして大阪公立大学にとって、実り多い一年となることを祈念し、私の年頭の挨拶といたします。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
大阪公立大学学長 櫻木 弘之