最新の研究成果

慢性期脳卒中患者 重度・中等度の手の麻痺がロボット療法により飛躍的に回復!!

2022年4月27日

  • リハビリテーション学研究科
  • プレスリリース

大阪公立大学(学長:辰巳砂 昌弘)リハビリテーション学研究科 竹林 崇 教授の研究グループは、障害の改善があまり期待できない発症から半年以上を経過した慢性期の脳卒中患者の手の麻痺に対して、ロボットを用いたリハビリテーションの効果をランダム化比較試験のサブ解析によって明らかにし、この分野の代表的な国際雑誌の一つである米国心臓学会/米国脳卒中学会(American Heart/Stroke Association)が発行する学術学会誌StrokeIF: 7.914)に掲載されました。また、これらの知見が広く共有され、ロボットが活用されることにより、現行の制度上、集中的なリハビリテーションを受けることが困難な手に麻痺を有する脳卒中患者の幸福およびQuality of life(以下、QOL)(生命の質)の改善に良好な影響を与えることが期待されています。

<研究のポイント>

◎慢性期脳卒中患者におけるロボット療法の効果を検討した日本初の多施設ランダム化比較試験

◎ロボット療法を用いた自主練習は中等度・ 重度の麻痺の改善に効果的

◎実生活で手を使うためには、ロボット療法に加えてCI療法の併用が効果的

press_220427-1

<研究概要>

 脳卒中後に生じる手の麻痺は、患者の幸福やQOLの低下を招くと言われています。また、多くの研究者は、脳卒中発症から180日以上経過した慢性期では、手の麻痺の大きな改善は期待できないと報告しています。
今回、我々は、慢性期の重度〜中等度の麻痺を有する脳卒中患者に対して、ロボット療法の効果を示すために、週3回10週間のプロトコルで、1)麻痺手に対する通常リハビリテーション(20分)と自主練習としてロボット療法(40分)を提供する群、2)麻痺手に対する集中練習(Constraint-induced movement thearpy[CI療法])(20分)と自主練習を提供する群、3)麻痺手に対する通常リハビリテーション(20分)と通常の自主練習(40分)群、の3群にランダムに割り付け、比較検討を行いました。
その結果、1)の群が3)の群に対して、有意な手の麻痺の回復を認め、さらに、2)の群が3)の群に比べ、生活において麻痺手を使用する頻度が有意に回復したことが、明らかとなりました。これにより、ロボットを用いたリハビリテーションを提供することで、慢性期でも手の麻痺や生活での使用行動の回復が可能なことが示されました。


本研究成果は(日本時間)2022329日 午前0時に、米国心臓学会、脳卒中学会『Stroke』にて、オンライン速報版で公開されました。

研究者からのコメント

 慢性期でもエビデンスが確立されているロボットを用いた適切なリハビリテーションを受けることで、現状よりも麻痺の回復や、生活で使用できる場面が増加することはよくあります。患者さんの幸福やQOLの回復のために、麻痺した手をできるだけ回復させられる方法を探求していきたいです。             
                                

press_220427-2

竹林 崇 教授

雑誌名:

Stroke(IF: 7.914)

論文名:

Robot-Assisted Training as Self-Training for Upper-Limb Hemiplegia in Chronic Stroke: A Randomized Controlled Trial.

著者:

Takashi Takebayashi, Kayoko Takahashi, Satoru Amano, Masahiko Gosho, Masahiro Sakai, Koichi Hashimoto, Kenji Hachisuka, Yuki Uchiyama, Kazuhisa Domen

DOI:

https://www.ahajournals.org/doi/10.1161/STROKEAHA.121.037260

プレスリリース全文

研究内容に関する問合せ先

大阪公立大学医学部リハビリテーション学科
担当:竹林 崇 教授
TEL
072-950-2111
Email:takshi77[at]omu.ac.jp [at]を@に変更してください。

取材に関する問い合わせ先

大阪公立大学 広報課
TEL
06-6605-3411
Email:koho-list[at]ml.omu.ac.jp [at]を@に変更してください。

該当するSDGs

  • SDGs03