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食欲の神経メカニズムに迫る! 無意識的な刺激が食行動に影響を与える可能性

2023年1月10日

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本研究のポイント

無意識下での脳の反応が食行動制御に重要な働きをしている可能性を見出した。
◇ 無意識下の認知メカニズムをさらに深く追究することで、今よりも効果的な食行動矯正手法の開発につなげることに期待。

概要

大阪公立大学大学院医学研究科 運動生体医学の石田 梨佳氏(大阪市立大学大学院 医学研究科 前期博士課程修了)、石井 聡講師、吉川 貴仁教授らの研究グループは、食行動制御などを行う前頭葉の一部の領域である下前頭回(図1)において、意識的な食刺激と無意識的な食刺激に対する脳の活動が異なっていることを明らかにしました。さらに、この脳活動の違いは、質問紙によって調査した『食行動における傾向(感情に応じて食べてしまう傾向及び、意図的に食事の摂取量を制限しようとする傾向)』と関連することが分かりました。この結果は、食行動は意識的な脳内機構だけでなく、無意識的な機構を考慮に入れないと理解できないことを示しています。
本研究成果は、2022 年 12 月 29日(木)に、国際学術誌『PLOS ONE』にオンライン掲載されました。

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今回は、食行動に関して研究を行いましたが、食行動以外にも、無意識で進む処理が意識的に進む処理とは違った形で行動に影響を与えている状況があると考えられます。

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掲載誌情報

【発表雑誌】PLOS ONE
【論 文 名】Association between eating behavior and the immediate neural activity caused by viewing food images presented in and out of awareness: a magnetoencephalography study
【著  者】Rika Ishida, Akira Ishii, Takashi Matsuo, Takayuki Minami, Takahiro Yoshikawa
【掲載URL】https://doi.org/10.1371/journal.pone.0275959

プレスリリース全文 (549KB)

資金情報

本研究は、科研費(疲労感を中心とした疲労の神経メカニズムを明らかにする脳磁図研究 [課題番号:16H03248])及び科研費(意識・無意識の食関連脳活動の相互作用と健康リスクから考える新規生活指導法の立案 [課題番号:22K11732])の対象研究です。

問い合わせ先

【研究内容に関する問い合わせ先】
医学研究科 運動生体医学
教授 吉川 貴仁
TEL06-6645-3790
E-mail:tkhr6719[at]omu.ac.jp
※[at]を@に変更してください。


【報道に関する問い合わせ先】
広報課 担当:久保
TEL:06-6605-3411
E-mail:koho-list[at]ml.omu.ac.jp
※[at]を@に変更してください。

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