最新の研究成果

農学研究科の乾 隆教授らの論文が「The FEBS Journal」誌の表紙に採用

2023年8月30日

  • 農学研究科

農学研究科の乾 隆教授、宮本 優也氏(大阪府立大学大学院生命環境科学研究科 2012年博士後期課程修了・博士号取得)、中辻 匡俊氏(大阪府立大学大学院生命環境科学研究科 2018年博士後期課程修了・博士号取得)らの研究グループの論文「Structural and interaction analysis of human lipocalin-type prostaglandin D synthase with the poorly water-soluble drug NBQX」が、Wileyが刊行する国際学術誌「The FEBS Journal」に掲載され、2023年8月号(Volume 290, Issue 16)の表紙を飾りました。

哺乳動物の中枢神経系に高発現し、さまざまな疎水性低分子を結合する生体内輸送タンパク質、リポカリン型プロスタグランジンD合成酵素(L-PGDS)。本研究グループはL-PGDSを利用することで、水に溶けにくい薬物を可溶化し、がん等の組織を狙い撃つドラッグデリバリーシステムへの適応を試みています。

これまでL-PGDSと薬物との結合メカニズムは明らかになっていませんでした。そこで本研究では、ヒト由来L-PGDSの溶液構造を決定し,難水溶性薬剤NBQXとの結合様式を調べました。その結果、NMR分析と特異値分解解析により,L-PGDSには2分子のNBQXが結合することが判明しました。さらに、分子ドッキングシミュレーションにより、L-PGDSは2分子のNBQXをβバレル内部と呼ばれる空間で結合することが判明しました。本研究成果は、L-PGDSによる難水溶性薬物輸送に関して構造生物学の側面からの新たな知見を提供するものです。

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乾教授のコメント


論文の作成に少々時間がかかりましたが、宮本&中辻という当研究室出身の世代を超えた二人がコラボして完成しました。ヒト由来L-PGDSと内包薬剤との結合様式を初めて明らかにした重要な論文です。表紙の絵は宮本氏が作成しました。結構イケてるでしょう。

掲載誌情報

【発表雑誌】The FEBS Journal
【論文名】Structural and interaction analysis of human lipocalin-type prostaglandin D synthase with the poorly water-soluble drug NBQX
【著者】Yuya Miyamoto, Masatoshi Nakatsuji, Takuya Yoshida, Tadayasu Ohkubo, Takashi Inui
【掲載URL】https://doi.org/10.1111/febs.16791

参考

生体高分子機能学研究室 https://www.biosci.osakafu-u.ac.jp/biol-macromol/home/

問い合わせ先

大阪公立大学大学院 農学研究科
教授 乾 隆(いぬい たかし)
E-mail:inuit [at]omu.ac.jp

※[at]を@に変更してください。

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