最新の研究成果

ミトコンドリア機能障害を有する周産期うつ病患者の治療に関するケースレポートを発表

2023年9月20日

  • プレスリリース
  • 医学研究科

ポイント

◇ミトコンドリア機能障害を有する患者が、出産後に重度うつ病を発症した初めての報告
◇症例報告から、ミトコンドリア機能障害を合併したうつ病の治療法確立に期待

概要

うつ病は持続する抑うつ気分、意欲低下や興味・喜びの消失などを主訴とする疾患です。原因は未だに不明ですが、妊娠や出産などの周産期やミトコンドリア機能障害の患者にうつ症状が見られることがあります。ミトコンドリア機能障害を有する患者に発症したうつ病の治療は、症例報告レベルにとどまっており、確立された治療法はいまだ存在していません。
今回、大阪公立大学大学院 医学研究科 神経精神医学の影山 祐紀講師らの研究グループは、ミトコンドリア機能障害を有する患者が出産後に重度のうつ病を発症したケースを報告。うつ病発症のリスク要因を、出産やミトコンドリア機能障害との関連から考察しました。
本ケースでは、症状の増悪を注意深く観察し発症の危険因子の軽減に努めるとともに、効果が強く副作用が少ないとされる比較的新しい既存の抗うつ薬による治療を行ったところ、うつ状態は徐々に改善し、46日目に退院となりました。
今後、さらなる症例報告と、ミトコンドリア機能障害を合併したうつ病に対する標準治療法の確立が望まれます。

今回の症例報告が、治療法の確立に向けた一歩に繋がればと考えています。将来、遺伝子治療やミトコンドリア機能を改善する低分子化合物などの発展が、この複合疾患に対する新しい治療法に光を当てるかもしれません。

pr_med_kageyama

影山  祐紀講師

掲載誌情報

【発表雑誌】 The primary care companion for CNS disorders 
【論文名】

Mitochondrial Gene Abnormality Complicated by Perinatal-Onset Depression

【著者】

Yuki Kageyama,Ayaka Sukigara,Yuki Uesaka,Yasuhiko Deguchi,Koki Inoue

【DOI】

https://doi.org/10.4088/PCC.23cr03501

【掲載日時】

2023年9月7日(日本時間)

研究内容に関する問い合わせ先

大阪公立大学大学院 医学研究科 神経精神医学
講師 影山 祐紀(かげやま ゆうき)
Tel:06-6645-3821
E-mail:b22319t[at]omu.ac.jp
※[at]を@に変更してください。

報道に関する問い合わせ先

大阪公立大学 広報課
担当:田中
Tel:06-6605-3411
E-mail:koho-list[at]ml.omu.ac.jp
※[at]を@に変更してください。

該当するSDGs

  • SDGs03