最新の研究成果

24時間観察で判明! 屋外でのメダカの繁殖行動は夜中に始まる

2025年6月5日

  • 理学研究科
  • プレスリリース

ポイント

◇屋外の水槽でメダカのペアを赤外線カメラで24時間連続撮影し、全31組の行動を解析。
◇自然に近い環境では、メダカの繁殖行動は午前1時頃から始まり、午前2時~午前4時がピークであった。

概要

メダカは小型で飼いやすく、毎日のように産卵するため、繁殖に関する研究などのモデル生物として使用されています。これまでメダカの繁殖は日の出の前後1時間と考えられていましたが、それは実験室での観察に基づいていました。

大阪公立大学大学院理学研究科の近藤 湧生特任助教、安房田 智司教授の研究チームは、自然に近い環境においてメダカを24時間連続で観察し、繁殖行動の開始時刻を明らかにしました。屋外の水槽にメダカのペアを1組ずつ入れ、赤外線カメラで撮影した全31組の行動を解析したところ、繁殖行動は午前1時から始まり、午前2時~午前4時がピークでした。本結果により、屋外と実験室ではメダカの産卵時刻が異なる可能性があることが分かりました。また、モデル生物を扱う研究において、生物本来の生態を理解することの重要性を示唆しています。

本研究成果は、2025年5月16日に国際学術誌「Scientific Reports」にオンライン掲載されました。

pr202506_kondo

図1 赤外線カメラで撮影した深夜のメダカの繁殖の様子

<近藤 湧生特任助教のコメント

赤外線カメラを使った24時間の連続観察は、根気のいる観察手法でしたが、これまで見えなかったメダカの姿が分かってきました。メダカのような身近な魚でも、まだまだ未知の世界が広がっているのだと思います。今回の発見のように基本的なメダカの姿を段階的に解明することで、メダカ研究の発展に貢献できたらと考えています。

掲載誌情報

【発表雑誌】Scientific Reports
【論 文 名】Courtship and spawning behaviour of medaka in a semi-outdoor environment initiating at midnight
【著  者】Yuki Kondo, Satoshi Awata

【掲載URL】https://doi.org/10.1038/s41598-025-01037-8

資金情報

本研究は、日本学術振興会の科研費(22K20666、23H03868)、東京動物園協会野生生物保全基金、笹川科学研究助成の支援を受けて実施しました。

研究内容に関する問い合わせ先

大阪公立大学大学院理学研究科
特任助教 近藤 湧生(こんどう ゆうき)
E-mail:youkikondou[at]omu.ac.jp

教授 安房田 智司(あわた さとし)
E-mail:sa-awata[at]omu.ac.jp
TEL:06-6605-2607

※[at]を@に変更してください。

報道に関する問い合わせ先

大阪公立大学 広報課
担当:谷
TEL:06-6967-1834
E-mail:koho-list[at]ml.omu.ac.jp

※[at]を@に変更してください。

該当するSDGs

  • SDGs04