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酸素欠損を持つ岩塩型 TiO・VO で 4s 電子を発見 ~モット絶縁体が金属化する新機構~

2026年4月30日

  • 工学研究科
  • プレスリリース

ポイント

  • 酸素欠損を持つ岩塩型TiO・VOで酸素欠陥の周囲に遷移金属の4s電子が存在することを発見しました。
  • モットハバード型モット絶縁体である筈のTiO・VOの3d電子の一部が4s軌道に移動することで金属化する機構を解明しました。
  • 遷移金属4s軌道が遷移金属酸化物の物理的・化学的性質を制御する新しい自由度と成り得ることを提示しました。

概要

早稲田大学理工学術院の溝川貴司(みぞかわたかし)教授、勝藤拓郎(かつふじたくろう)教授、三吉野節(みよしのたかし)修士課程学生(現NEDO職員)、東京都立大学 武上大介(たけがみだいすけ)特任助教(研究当時:早稲田大学 理工学術院 リサーチフェロー)、ドイツのマックスプランク固体化学物理学研究所のL. H. Tjeng教授、大阪公立大学大学院工学研究科の播木敦(はりきあつし)准教授らの研究チームは、酸素欠損を持つ岩塩型構造のTiO(チタン酸化物)、VO(バナジウム酸化物)を高輝度放射光を用いた硬X線光電子分光で観測することによって、酸素欠陥の周囲に形成されたTi 4s軌道およびV 4s軌道に、電子が収容されていることを発見いたしました。

本成果は2026年4月18日にアメリカ化学会が発刊するJournal of the American Chemical Society誌に掲載されました。

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掲載誌情報

【発表雑誌】Journal of the American Chemical Society

【論文名】4s molecular orbitals and strongly correlated 3d states in TiOx and VOx

【著者】Daisuke Takegami(東京都立大学), Anna Melendez-Sans(マックスプランク固体化学研究所), Takashi Miyoshino(早稲田大学), Ryo Nakamura(早稲田大学), Miguel Ferreira-Carvalho(マックスプランク固体化学研究所), Georg Poelchen(Max Planck固体化学研究所), Chun-Fu Chang(マックスプランク固体化学研究所), Masato Yoshimura(台湾国家放射光研究センター), Ku-Ding Tsuei(台湾国家放射光研究センター), Haruka Matsumoto(早稲田大学), Asuka Yanagida(早稲田大学), Ryota Yoshimura(早稲田大学), Suguru Yano(早稲田大学), Takumi Iwata(早稲田大学), Takuro Katsufuji(早稲田大学), Atsushi Hariki(大阪公立大学), Liu-Hao Tjeng(マックスプランク固体化学研究所), Takashi Mizokawa(早稲田大学)

【論文URL】https://acs.figshare.com/articles/journal_contribution/4s_Molecular_Orbitals_and_Strongly_Correlated_3d_States_in_TiO_sub_x_sub_and_VO_sub_x_sub_/32046359?file=63829892

研究内容に関する問い合わせ先

大阪公立大学大学院 工学研究科
准教授 播木 敦(はりき あつし)
E-mail:hariki[at]omu.ac.jp
※[at]を@に変更してください。

報道に関する問い合わせ先

大阪公立大学 広報課
TEL:06-6967-1834
E-mail:koho-list[at]ml.omu.ac.jp
※[at]を@に変更してください。

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