医学部TRENDY Vol.02

整形外科分野から健康寿命の延伸を目指して

整形外科学 中村 博亮 教授 (医学部附属病院 病院長)

私が専門とする研究分野は、脊椎脊髄外科学、低侵襲性脊椎外科、高齢者脊椎疾患。20代に自ら腰の手術を受けた経験から、腰あるいは脊椎に対する体にやさしい手術法の開発と実践を目指して研究を行っています。具体的には、顕微鏡手術や内視鏡手術の脊椎脊髄外科への導入を先駆けて行ってきました。加えて安全な手術手技の全国への普及を目指して技術認定制度の確立にも携わりました。
また、昨今の超高齢社会の到来にともなって、脊椎脊髄外科分野でも高齢者疾患あるいはその手術対象が大幅に増加しています。それを踏まえて、症状発現の予防に主眼を置き、疾患群のみならず、住民健診レベルでの体力測定に基づいて、ロコモティブシンドロームの発生率や、これまであまり注目されなかった筋量の評価を行い、健康寿命の延伸を目指した研究にも取り組んでいます。

ロコモティブシンドロームの解説図

脊椎脊髄外科医を目指したワケ

私は20歳の頃に腰椎椎間板ヘルニアに対する手術を受けています。当時は、手術を受ければすぐに完治すると考えていましたが、その期待は大きく裏切られ、2度の手術後も、左下肢にしびれが残りました。これをきっかけに腰椎椎間板ヘルニアをしっかりと治せる脊椎脊髄外科医を目指すようになりました。

整形外科学 最新の研究成果

骨髄液フィブリンクロットが半月板修復に有効 ~半月板温存治療法の確立に期待~

若年者の外側円板状半月板損傷治療に光明 後節半月板の亜全摘は軟骨変性が最も進行 ~形成縫合術による半月板温存がカギ~

整形外科学 中村 博亮 教授 (医学部附属病院 病院長) 

趣味・特技

趣味:ゴルフ、歴史小説を読むこと(特に戦国時代)
特技:数字を覚えること

座右の銘

人間万事塞翁が馬

取材対応可能なテーマ

ロコモティブシンドローム、フレイル、整形外科学・脊椎脊髄外科学全般、低侵襲脊椎手術、末梢神経、高齢者脊椎疾患、再生医療

中村 博亮 教授

日本専門医機構認定整形外科専門医
日本整形外科学会認定脊椎脊髄病医
日本整形外科学会認定運動器リハビリテーション医
日本骨粗鬆症学会認定医
ロコモアドバイスドクター

 2023年4月発行