医学部TRENDY Vol.06

病も人も「診る」医師の育成を目指して

医学部医学科長 教務委員長 総合医学教育学 首藤 太一 教授

いつの時代も次世代の良医育成は求められており、本学では医学生のみならず研修医をはじめとする生涯医学教育に取り組んでいます。
特徴的な教育としては、『スキルスシミュレーションセンター(SSC)』でのシミュレーション教育が挙げられます。さまざまなシミュレーターを活用した医療教育を、医学生・研修医に限らず、看護学生・看護師、さらには全医学部教職員を対象に展開しています。全国でもトップクラスの稼働率を誇るSSCでのトレーニングでは『Teaching is learning』という考え方を大切にしています。実習時に教員が指導するのではなく、研修医が学生を指導する機会をたくさん設けています。その結果、研修医は学生への指導を通して、自分の成長を感じることができ、学生は研修医から学ぶことで将来の自分の姿を想像することできます。
このように、附属病院をもつ本学ならではの教育に取り組むことで、世間が求める良医の輩出に尽力しています。

智・仁・勇を表した図「智・仁・勇」は、本学医学部医学科の基本理念
●医師に必要な高度な医療知識「智」
●人の悩みや痛みを深く温かく受け入れる慈愛の心「仁」
●勇気をもって信念を貫く技術と行動力「勇」

昨今の医学生の特徴とは...

価値観が“少ない”医学生が多いと感じます。『ムダか、ムダではないか』『しんどいか、しんどくないか』を基準に何事も判断してしまうため、価値観の幅が狭まっているように思います。しかし、医師になれば、答えのない問題に直面します。自分とは違う価値観を理解できなくては、乗り越えられない問題も多く存在します。そこで学生には、『病ではなく人を診る』『自分が診てもらいたい医師』を目指せと伝えています。

肝胆膵外科学から医学教育学へ転身

17年間、肝胆膵外科医として従事した後、医学教育学の道へ進みました。当時は外科医を辞めるのはもったいないと言われることもありましたが、もともと後輩の面倒を見ることが好きだったこともあり、教育の道へ進むことに迷いはありませんでした。年間100人を救う医師を、年間100人輩出することを目標にして、日々良医育成に励んでいます。

医学部医学科長 教務委員長 総合医学教育学 首藤 太一 教授 

趣味
  • 山登り
    雪景色が綺麗な冬に登るのが好き
  • お笑い観賞
    さんまさんと紳助さんを足して2で割って上岡龍太郎さんを
    TOPPINGしたようなトークができるようになりたい
特技
  • 寸劇
    医学生を目指す高校生や浪人生に対して行う講演会では、
    寸劇を取り入れ、リアリティ溢れる講演を実施中!
取材対応可能なテーマ

医学教育、次世代の良医育成、スキルスシミュレーションセンター

首藤 太一 教授 

医学部附属病院 卒後臨床研修センター長、スキルスシミュレーションセンター長
日本プライマリ・ケア連合学会 指導医
日本専門医機構認定 総合診療専門研修プログラム特任指導医
日本外科学会 認定登録医
日本消化器病学会 指導医
日本肝臓学会 指導医

2023年8月発行