最新の研究成果

血液透析患者における知見 栄養不良とサルコペニアの関係が明らかに ~サルコペニアの発症防止、早期発見・治療への期待~

2022年5月23日

  • プレスリリース
  • 医学研究科

本研究のポイント

◇血液透析患者において、栄養状況がサルコペニアと関連することを発見。
◇簡便な栄養指標(NRI-JH)を用いることで、サルコペニアの発症防止、早期発見・治療、生命予後の改善に繫がることが期待。

概要

大阪公立大学大学院 医学研究科代謝内分泌病態内科学の藏城 雅文(くらじょう まさふみ)講師、腎臓病態内科学の森 克仁(もり かつひと)准教授、代謝内分泌病態内科学/腎臓病態内科学の繪本 正憲(えもと まさのり)教授らの研究グループは、血液透析患者において、栄養状況と筋肉量が減少し筋力が低下するサルコペニアが関連することを発見しました。

血液透析患者では、高頻度に低栄養状態であることが知られています。また、サルコペニアも高頻度に発症し、死亡率が高いことを我々は明らかにしてきました。これまで、血液透析患者において、低栄養状態がサルコペニア発症の危険を増加させるのではないかと考えられていましたが、実際にそのような関係を調べた報告はほとんどありませんでした。

本研究グループは、315名の血液透析患者を対象に、日本透析医学会学術委員会栄養問題検討ワーキンググループで開発された栄養指標NRI-JHと、サルコペニアとの関連を調べました。その結果、低栄養は骨格筋量・筋力・身体機能の低下と関連し、さらにサルコペニア・重症サルコペニアと関連することがわかりました。

この研究成果は、血液透析患者において、栄養状況がサルコペニアと関連することを明らかにするものであり、さらにNRI-JHを用いることで、サルコペニアの発症防止、早期発見・治療、生命予後の改善に繫がることが期待されます。
本研究結果は2022年5月13日に「Frontiers in Nutrition」誌(IF= 6.576)にオンライン掲載されました。

研究者からのコメント

低栄養状態はサルコペニアと関わるという考えは、古くからありましたが、実際にそのような関係を調べた報告はほとんどありませんでした。本研究により、栄養状況がサルコペニアと関わることが明らかになったことで、栄養状況をターゲットとしたサルコペニアの発症・進展防止の治療戦略につながることを期待しています。

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藏城 雅文講師

掲載誌情報

雑誌名:

Frontiers in Nutrition

論文名:

Nutritional status association with sarcopenia in patients undergoing maintenance hemodialysis assessed by nutritional risk index

著者:

藏城雅文、森克仁、宮部美月、松藤勝太、一居充、森岡与明、木津あかね、辻本吉広、繪本正憲

Masafumi Kurajoh, Katsuhito Mori, Mizuki Miyabe, Shota Matsufuji, Mitsuru Ichii, Tomoaki Morioka, Akane Kizu, Yoshihiro Tsujimoto, and Masanori Emoto

掲載URL

https://doi.org/10.3389/fnut.2022.896427

プレスリリース全文 (308.9KB)

研究内容に関する問合せ先

大阪公立大学大学院 医学研究科
代謝内分泌病態内科学
担当: 藏城 雅文
TEL: 06-6645-3806
E-mail:masafumi-kurajoh[at]omu.ac.jp
[at]を@に変更してください。

報道に関する問い合わせ先

大阪公立大学 広報課
担当:久保 文
TEL:06-6605-3411
E-mail:koho-upco[at]list.osaka-cu.ac.jp
[at]を@に変更してください。

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