最新の研究成果

高温×高容量を実現!全固体電池開発の技術を応用し成形性に優れた固体電解質を用いた蓄電デバイスの実現に成功!

2022年7月27日

  • プレスリリース
  • 工学研究科

本研究のポイント

 ◇成形性に優れた固体電解質の利用により、これまで実現が困難であった高温領域で動作する高容量キャパシタ(蓄電デバイス)の構築
  に初めて成功。

 ◇従来使用困難であった高温環境下での利用や、冷却が必要なキャパシタの代替デバイスとしての応用に期待。

概要

大阪公立大学大学院 工学研究科 物質化学生命系専攻 応用化学分野の林 晃敏教授、計 賢氏、吉見 俊亮氏、長尾 賢治氏、作田 敦准教授、辰巳砂 昌弘学長らの研究グループは、全固体電池でも使用される成形性の高い固体電解質をキャパシタに利用することで、高温領域で作動可能なバルク型全固体キャパシタの実現に世界で初めて成功しました。

キャパシタは、エネルギーの平準化やエネルギー回生に利用されていますが、電解質に沸点の低い液体を使用しているため、高温下での使用が困難でした。本研究で開発した全固体キャパシタは、100 ℃以上での使用も可能であり、従来のキャパシタで使用困難な極限環境下や、冷却が必要な従来キャパシタの代替蓄電デバイスとして応用が期待されます。

本研究成果は、出版社 Elsevierが刊行する国際学術雑誌 「Journal of Power Sources」のオンライン速報版に7月27日9時(日本時間)に掲載されました。

<注釈>
 ★…大阪府立大学大学院工学研究科 博士後期課程修了
 ☆…大阪府立大学大学院工学研究科 博士前期課程修了



従来の電解液を使用した電気二重層キャパシタでは作動が困難な100℃以上の高温領域において、高容量を示す全固体キャパシタの作製に成功しました。

全固体リチウム電池用に開発してきた、優れた成形性とリチウムイオン伝導性を兼ね備えた酸化物固体電解質の適用がキーポイントになりました。

press_220727

林 晃敏 教授

資金情報

本研究は、JSPS科研費(JP18H05255及びJP19H05816)からの助成を受けて行われました。

掲載紙情報

発表雑誌: Journal of Power Sources(IF=9.79)
論 文 名: Thermally stable bulk-type all-solid-state capacitor with a highly deformable oxide solid electrolyte
著     者: Takashi Hakari, Shunsuke Yoshimi, Kenji Nagao, Atsushi Sakuda, Masahiro Tatsumisago, Akitoshi Hayashi
掲載URL: https://doi.org/10.1016/j.jpowsour.2022.231821


プレスリリース全文 (1.5MB) 

研究内容に関する問い合わせ先

大阪公立大学大学院 工学研究科
教授 林 晃敏(はやし あきとし)
TEL:072-254-9331
E-mail:akitoshihayashi[at]omu.ac.jp [at]の部分を@に変更してください。

報道に関する問い合わせ先

大阪公立大学 広報課
担当  :竹内 春奈
TEL  :06-6605-3411
MAIL:koho-list[at]ml.omu.ac.jp [at]の部分を@に変更してください。

該当するSDGs

  • SDGs07
  • SDGs09