最新の研究成果

細胞運動能の起源と進化に迫る! 自ら動く『最小の』生命体を作り出すことに成功

2022年12月1日

  • 理学研究科
  • プレスリリース

ポイント

◇最少の遺伝情報のみで生きる合成細菌に、運動装置となるタンパク質を導入。
◇球状であった合成細菌が、らせん形状になり泳ぐことを確認。
◇未だ明らかでない細胞運動能の起源解明に大きく貢献。

概要

大阪公立大学 大学院理学研究科 宮田 真人教授、木山 花大学院生(大阪市立大学 大学院 理学研究科 後期博士課程2年)、産業技術総合研究所 柿澤 茂行 主任研究員らの研究グループは、節足動物や植物などに寄生し、宿主の体内を自身のらせん方向を反転して泳ぐ細菌の遊泳運動に直接関係していると考えられるタンパク質を、最少の遺伝情報のみで生きる合成細菌内に遺伝子操作により発現させました。その結果、球状であった合成細菌が、らせん形状になり泳ぐことが確認できました。本研究で得られた「泳ぐ最小の合成細菌」は、運動装置を持つ最小の生命と言えます。  

この研究で得られた知見により、細胞運動能の起源と進化の解明が期待できます。 本研究成果は、2022年12月1日「Science Advances」にオンライン掲載されました。



本研究グループが立ちあげた、細胞運動能の起源と進化を最小の合成細菌を用いて明らかにする研究は、発見と興奮の連続です。今後数年で、新たな研究分野としての定着を目指します。

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宮田 真人教授

掲載紙情報

発表雑誌: Science Advances
論 文 名: Reconstitution of a minimal motility system based on Spiroplasma swimming by two bacterial actins in a synthetic minimal bacterium
著     者: Hana Kiyama, Shigeyuki Kakizawa, Yuya Sasajima, Yuhei O Tahara, Makoto Miyata
掲載URL: https://science.org/doi/10.1126/sciadv.abo7490


プレスリリース全文 (714.1KB)

研究内容に関する問い合わせ先

大阪公立大学大学院 理学研究科
教授:宮田 真人(みやた まこと)
TEL06-6605-3157
E-mail:miyata[at]omu.ac.jp [at]を@に変更してください

報道に関する問い合わせ先

大阪公立大学 広報課
TEL:06-6605-3411
E-mail:koho-list[at]ml.omu.ac.jp [at]を@に変更してください

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