最新の研究成果

目を閉じた時に感じる明るさを測定!昼寝や避難所での睡眠に適した照明への応用に期待

2022年12月1日

  • 生活科学研究科
  • プレスリリース

本研究のポイント

◇閉眼時に感じる照明の明るさは、今まで考えられていたよりも大幅に高いことが明らかに。
◇照明の色によって明るさの感じ方は大きく異なり、赤色光は明るく、青色光は暗く感じる。

概要

大阪公立大学大学院 生活科学研究科 居住環境学分野 酒井 英樹教授は、睡眠時(閉眼時)における光環境を適切に把握するため、閉眼時のまぶたの光透過率を測定した結果、閉眼時に感じる照明の明るさは、これまで考えられていたよりも大幅に高いことを明らかにしました。
日中や入眠時、睡眠中に暴露する光が生活リズムや睡眠の質に影響を与えることは広く知られていますが、それらを議論する際、これまでは照度や色温度によって光の状態を表していました。しかし、照度や色温度は、開眼時の明所視における視覚特性に基づいて作られた指標です。睡眠中は閉眼しているため、睡眠中の光環境を適切に把握するには、閉眼時にどの程度の光が網膜に届くのかを知る必要があります。これまでにまぶたの光透過率を測定した既往研究はありますが、極端に低照度であったり、片眼だけの評価であったりと日常生活における照明環境とは大きく異なるものでした。
そこで本研究では、両眼の開閉に応じて照度を増減させる照明装置を用いて、開眼時と閉眼時の明るさ感が一致する条件で、まぶたの光透過率を算出した結果、既往研究での光透過率よりも数倍から10倍以上高いことを明らかにしました。
本研究成果は、2022年11月21日(月)に、国際学術誌「Color Research and Application」にオンライン掲載されました。

眼を閉じているときの照明は、これまで考えられていたよりも、明るく感じることがわかりました。閉眼時の光環境を適切に把握し利用することで、入眠時の照明のほか、昼寝や深夜交通、さらに災害避難所に適した照明など、さまざまな状況において、睡眠に適した照明の研究が進むことが期待されます。

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酒井 英樹教授

 掲載誌情報

【発表雑誌】Color Research and Application
【論 文 名】Perception of brightness when the eyes are closed
【著 者】Hideki Sakai
【掲載URL】https://doi.org/10.1002/col.22832

プレスリリース全文 (722.5KB)

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