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海中での光合成、どうすれば効率的?メカニズムの解明に光〜クライオ電子顕微鏡法を用いて解析〜

2022年12月5日

  • 理学研究科
  • プレスリリース

ポイント

◇海洋性緑藻ミルの光合成アンテナの構造をクライオ電子顕微鏡法を用いて高分解能で解析
◇光合成アンテナに結合している色素の構造と置換位置を解明

概要

大阪公立大学 人工光合成研究センターの藤井 律子准教授と関 荘一郎大学院生(大阪市立大学大学院理学研究科後期博士課程2年)、大阪大学蛋白質研究所の栗栖 源嗣教授ら、サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社の銭 朴氏らの研究グループは、高分解能の電子顕微鏡を用いた解析により、海洋性緑藻ミルの光合成アンテナと呼ばれるタンパク質内での色素の構造と結合環境を初めて明らかにしました。その結果、海水中で得られる唯一の光である青緑色光を効率よく光合成に利用する分子メカニズムがより鮮明になりました。 

本研究成果は、2022年11月11日に『BBA Advances』にオンライン掲載されました。

今回の成果は、海藻が海底で光合成をするための仕組みを解明する手がかりとなります。色素の構造を少し変えただけで緑色光を光合成に活用してしまうというのは、コスパの良い戦略と思いました。このような生物の生存戦略を学ぶことは、太陽光利用や再生可能エネルギー源の開発につながると期待できます。

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藤井 律子准教授

この研究には、論文に名前が記載されている方以外にも多くの方が長年携わってきました。僕は先輩方からのバトンを引き継ぎ、研究室に配属されてからずっと培養からタンパク質の精製方法まで工夫を凝らしてきました。その執念が今回の成果につながったと思います。この構造を初めて藤井先生と見たときは打ち震えました。今回の論文掲載を糧に、今後もガンガン研究を進めてまいります。

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関 荘一郎大学院生

掲載紙情報

発表雑誌: BBA Advances
論 文 名: Structural insights into blue-green light utilization by marine green algal light harvesting complex II at 2.78 Å
著     者: Soichiro Seki, Tetsuko Nakaniwa, Pablo Castro-Hartmann, Kasim Sader, Akihiro Kawamoto, Hideaki Tanaka, Pu Qian, Genji Kurisu, Ritsuko Fujii
掲載URL: https://doi.org/10.1016/j.bbadva.2022.100064


プレスリリース全文 (741.8KB)

研究内容に関する問い合わせ先

大阪公立大学大学院 理学研究科
人工光合成研究センター
准教授 藤井 律子(ふじい りつこ)
TEL:06-6605-3624
E-mail:ritsuko[at]omu.ac.jp [at]を@に変更してください

報道に関する問い合わせ先

大阪公立大学 広報課
TEL:06-6605-3411
E-mail:koho-list[at]ml.omu.ac.jp [at]を@に変更してください

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