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廃棄資源を再利用する人工光合成技術! 排ガス相当の低濃度CO2から生分解性プラスチック原料の合成に成功

2023年3月9日

  • プレスリリース
  • 理学研究科

本研究のポイント

◇廃棄アセトンと排ガス相当の低濃度CO2から生分解性プラスチック原料を合成。
◇二酸化炭素と結合させたアセトンからの収率は約70%!
◇廃棄資源を再利用する革新的な人工光合成技術へ、大きな一歩。

概要

大阪公立大学 人工光合成研究センターの天尾 豊 教授と紀太 悠 大学院生(大阪市立大学大学院理学研究科前期博士課程2年)は、人工光合成技術を活用し、廃棄アセトンの約70%を生分解性プラスチック原料である3-ヒドロキシ酪酸に変換することに成功しました。

本研究では、廃棄アセトンと、排ガス相当の低濃度二酸化炭素を利用。太陽光と同等の可視光を1日照射して得られた研究成果です。
本研究成果は、二酸化炭素を削減するだけでなく、廃棄資源を再利用しながら生分解性プラスチックを作る革新的な方法となることが期待されます。

本研究成果は、2023年3月1日、英国王立化学会が発行する「Green Chemistry」にオンライン掲載されました。

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人工光合成の実用化には、純粋な二酸化炭素ではなく、火力発電所等の排ガスに含まれる二酸化炭素の利用が重要であることに着眼し、低濃度の二酸化炭素から人工光合成による生分解性プラスチック原料創出に、ついに成功しました! 低濃度の二酸化炭素を利用した研究例はまだ少なく、新しい人工光合成の実用化が一歩進んだことを嬉しく思います。

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 紀太 悠 大学院生

資金情報

本研究の一部は、学術研究助成基金助成金 国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))及び基盤研究(B)の助成を受けたものです。

掲載紙情報

発表雑誌: Green Chemistry
論 文 名: Visible-light driven 3-hydroxybutyrate production from acetone and low concentrations of CO2 with the system of hybridized photocatalytic NADH regeneration and multi-biocatalysts
著     者: Yu Kita and Yutaka Amao
掲載URL: https://doi.org/10.1039/D3GC00247K 



プレスリリース全文 (708.6KB)

研究内容に関する問い合わせ先

大阪公立大学
人工光合成研究センター
教授:天尾 豊(あまお ゆたか)
E-mail:amao[at]omu.ac.jp [at]を@に変更してください

報道に関する問い合わせ先

大阪公立大学 広報課
TEL:06-6605-3411
E-mail:koho-list[at]ml.omu.ac.jp [at]を@に変更してください

該当するSDGs

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