最新の研究成果
ARで食材の重さを見抜く力が身に付く!新しい学習方法を開発
2025年9月18日
- 生活科学研究科
概要
食品や料理の重量を見た目だけで推定する能力である食品重量推定能力は、管理栄養士が栄養指導時に対象者の摂取栄養量を評価する際や、献立を立てる際に必要な能力といわれています。しかし、従来、食品重量推定能力を身に付ける方法として利用されてきた、2Dの写真やフードモデル、実際の食品を利用した学習方法では、コストや学習場所の確保の問題、イメージがしづらいという課題がありました。
大阪公立大学大学院生活科学研究科の松本 佳也准教授、情報学研究科の太田 正哉教授、県立広島大学の岡田 玄也准教授らの研究グループは、管理栄養士養成校の学生43人を、①文字のみ、②文字と写真、③フードモデル、④拡張現実(AR)の4つの学習法のグループに分け、10個の食品の重量推定能力を比較検証しました。その結果、ARを用いたグループにおいて、その他と比べても十分な評価に値する学習効果が得られることが分かりました。また検証後のアンケート結果から、ARを用いたグループでは楽しさや役立ち度、他人への推奨度などの項目で高得点を得ました。本研究により、ARにおける学習方法では、学生が学習場所やコストを気にせず、食品重量推定能力を身に付けることが可能となりました。
本研究成果は、2025年9月11日に国際学術誌「Journal of Human Nutrition and Dietetics」に掲載されました。
ARを用いて3Dフードモデルを画面表示
左:AR生成したとうもろこし
右:フードモデルのとうもろこし
食品の3D画像撮影やAR生成を楽しみながら研究を進めることができ良かったと思います。今後は子どもからご年配の方までさまざまな層にARツールを使っていただけるように、取り組んでいきたいと思います。
松本 佳也准教授
掲載誌情報
【発表雑誌】Journal of Human Nutrition and Dietetics
【論 文 名】Can Augmented Reality be Used as a Portion Size Estimation Aid Tool? A Pilot Randomized Controlled Trial
【著 者】Yoshinari Matsumoto, Genya Okada, Masaya Ohta
【掲載URL】http://dx.doi.org/10.1111/jhn.70125
資金情報
本研究は県立広島大学重点研究事業の助成を受け、実施しました。
研究内容に関する問い合わせ先
大阪公立大学大学院生活科学研究科
松本 佳也(まつもと よしなり)
TEL:06-6167-1307
E-mail:y-matsumoto[at]omu.ac.jp
※[at]を@に変更してください。
報道に関する問い合わせ先
大阪公立大学 広報課
担当:橋本
TEL:06-6967-1834
E-mail:koho-list[at]ml.omu.ac.jp
※[at]を@に変更してください。
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