最新の研究成果

ロボットがトマトの収穫しやすさを見極める?収穫成功確率を“見える化”する新技術を構築

2025年11月5日

  • 工学研究科
  • プレスリリース

ポイント

◇ロボットによるトマトの収穫成功に影響を与える要因を、果実の配置や構造的特徴に基づいて分析。
◇植物工場での収穫実験の結果を用いて、収穫成功確率を予測する統計モデルを構築。
◇画像認識によって果実周辺の環境情報を抽出し、収穫成功確率を推定。

概要

人手不足が深刻な農業現場において、ロボットによる自動収穫が注目されています。中でも、房状に果実が実るトマトの収穫は、熟し具合や周囲の環境などを見極めながら慎重に行う必要があり、ロボットには高度な判断力と制御が求められます。

大阪公立大学大学院工学研究科の藤永 拓矢助教は、トマト収穫ロボットがどの方向から果実に近づけば収穫成功確率が高まるかを、画像認識と統計解析により定量的に評価しました。そして、抽出したデータをもとに、収穫のしやすさを予測するモデルを構築しました。本成果により、ロボットの無駄な動きを減らして収穫の成功率を高めることで、農業現場での課題解決に繋がることが期待できます。

本研究成果は、20251014日に国際学術誌「Smart Agricultural Technology」のオンライン速報版に掲載されました。

press_fujinaga_01

収穫ロボットの研究開発は40年近く続いていますが、十分に普及しているとは言えません。実用化にはさまざまな障壁があり、本研究では収穫成功率の再現性に着目しました。ロボットが成功または失敗する原因を自ら分析できるようになることで、より確実で効率的な収穫が実現できます。農業ロボットの知能化に向けた研究を進め、農業の発展に貢献していきたいと考えています。

press_fujinaga_02藤永 拓矢助教

掲載誌情報

【発表雑誌】Smart Agricultural Technology
【論 文 名】Realizing an Intelligent Agricultural Robot: An Analysis of the Ease of Tomato Harvesting
【著  者】Takuya Fujinaga

【掲載URL】https://doi.org/10.1016/j.atech.2025.101538

資金情報

本研究は、JSPS科研費(23K11060, 25K18330)の支援を受けて実施しました。

研究内容に関する問い合わせ先

大阪公立大学大学院工学研究科
助教 藤永 拓矢(ふじなが たくや)
TEL:072-254-9211
E-mail:tfujijnaga[at]omu.ac.jp
※[at]を@に変更してください。


報道に関する問い合わせ先

大阪公立大学 広報課
担当:久保
TEL:06-6967-1834
E-mail:koho-list[at]ml.omu.ac.jp
※[at]を@に変更してください。

該当するSDGs

  • SDGs09