最新の研究成果

~衝撃の少ない歩き方が健康寿命を延ばす~ 歩き方指導の有効性を検証

2025年10月31日

  • 生活科学研究科
  • プレスリリース

ポイント

◇高齢者223人を対象に、衝撃の少ない着地(ソフトランディングテクニック)を用いた歩き方指導の受講前後で歩行測定を行い比較検証。

◇歩き方指導の受講後は、歩数は増加、歩幅は減少し、着地衝撃の大きさを表す上向き加速度が減少した。

◇高齢者の健康的な歩き方の促進として、ソフトランディングの歩き方指導の有効性を示唆。

概要

歩幅を広げて歩くと、下半身の筋肉が多く使われるため筋力が向上するといわれていますが、着地の衝撃が増すため、膝や腰に負担がかかり痛みを引き起こす可能性も考えられます。

大阪公立大学大学院生活科学研究科の本宮 暢子特任教授、春名 了輔大学院生(博士後期課程3年)、ダイナミックスポーツ医学研究所 土井 龍雄氏らの研究グループは、インストラクターによる高齢者向けの衝撃の少ない着地(ソフトランディングテクニック)を用いた歩き方の指導効果を確認するため、223人を対象に歩行指導の受講前後で10メートルの歩行測定を行い、比較検証しました。その結果、指導後は歩数が増加し、歩幅が小さくなり、着地衝撃の大きさを表す数値である上向き加速度が小さくなりました。また、95%以上の参加者が本指導を理解し高く評価しました。本研究結果により、高齢者の健康的な歩き方の促進としてソフトランディングの歩き方指導の有効性が示唆されました。

本研究成果は、2025年7月22日に国際学術誌「Sensors」にオンライン公開されました。

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私たちは長年、高齢者に健康のために「歩く」ことを勧めてきました。健康な運動に興味がある高齢者からは、腰、膝が痛くならない歩き方は何かと聞かれます。この研究は、これらの対象者からの質問に答えるだけでなく、地域の高齢者に運動指導する指導者達に役立つと思います。

pr20251031_hon01a左から本宮特任教授、春名大学院生、土井氏

掲載誌情報

【発表雑誌】Sensors
【論 文 名】Accelerometer Measurements: A Learning Tool to Help Older Adults Understand the Importance of Soft-Landing Techniques in a Community Walking Class
【著    者】Tatsuo Doi, Ryosuke Haruna, Naoyo Kamioka, Shuzo Bonkohara, and Nobuko Hongu
【掲載URL】https://doi.org/10.3390/s25154546

研究内容に関する問い合わせ先

大阪公立大学大学院生活科学研究科
特任教授 本宮 暢子(ほんぐう のぶこ)
TEL:06-6605-2899
E-mail:kay.hogu[at]gmail.com、n21180a[at]omu.ac.jp

※[at]を@に変更してください。

報道に関する問い合わせ先

大阪公立大学 広報課
担当:谷
TEL:06-6967-1834
E-mail:koho-list[at]ml.omu.ac.jp

※[at]を@に変更してください。

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