最新の研究成果
TOPPAN(株)、本学教員らの共同研究がNEDOの「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業/先端半導体製造技術の開発(助成)」に採択
2025年12月16日
- 工学研究科
- 研究
NEDO(国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)が公募した「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業/先端半導体製造技術の開発(助成)」に、本学教員らが共同研究先として技術開発リーダーをつとめる事業が採択されました。
採択内容
■テーマ名
次世代チップレット向けサブミクロン有機 RDL インターポーザーの設計・製造技術開発
■助成先
TOPPAN株式会社
■研究期間
2026年1月~2030年12月(予定)
■共同研究先
- インターポーザーの製造技術開発
公立大学法人大阪 大阪公立大学、国立大学法人東京科学大学、国立研究開発法人産業技術総合研究所 - インターポーザーの設計技術開発
公立大学法人富山県立大学、国立大学法人信州大学
本取り組みのポイント
- 今回NEDOに採択された事業は、有機RDLインターポーザーのサブミクロン配線製造技術開発を通して、大容量データ伝送と低消費電力化を同時に実現することを目指すものです
- 今後は、本学イノベーションアカデミー スマートエネルギー棟の共創ラボを活動拠点の一つとし、生成AIの普及・高度化による我が国のデジタル技術基盤構築に向け、先端半導体パッケージの高速伝送かつ低消費電力化をめざし、2033年頃に立ち上がる800Tb/s広帯域の通信半導体の社会実装に貢献します
本学の役割と研究テーマ
L/S=0.5/0.5µm形成の最大のキープロセスであるダマシンプロセスの微細化研究開発に係る共同研究先(公立大学法人大阪 大阪公立大学、国立大学法人東京科学大学、国立研究開発法人産業技術総合研究所)の技術開発リーダー
- サブミクロン対応感光性絶縁材料とダマシンプロセスの開発
- 非感光絶縁材料の加工プロセスの研究

教員コメント
協創研究センター 半導体超加工・集積技術研究所 副所長
工学研究科 客員教授
笹子 勝
ポスト5G情報通信システムが目指すAIの世界的普及には、劇的なデータ処理・通信量の拡大が求められるとともに、それに伴う消費電力増大も懸念されています。
現在、量産化されているシリコンインターポーザーは伝送ロスが大きく、300㎜φのウエ-ハを使用するため製造限界を迎えています。そこで、有機材料を用いた300㎜角パネルに対し、従来のSAP(Semi Additive Process)工法による開発が進められています。(TSMC社 CoWoS-Sなど)今回、TOPPAN(株)と本学始め東京科学大学、富山県立大学、信州大学、国立研究開発法人産業技術総合研究所が次世代チップレット向けサブミクロン有機RDLインターポーザーの設計・製造技術を開発することで、インターポーザーの課題解決に寄与します。
協創研究センター 半導体超加工・集積技術研究所 所長
工学研究科 教授
齊藤 丈靖
2030年以降の次世代チップレットでは、光電素子も融合した100㎜角を超える大型のインターポーザーが必要という予測もあり、パネルでの製造が加速すると思われます。
そこで、従来のウェーハプロセス(多層配線工程)で用いられるダマシンCMP工法を有機材料を用いた510×515㎜パネル製造に適用し、さらに、配線幅をサブミクロンサイズ(配線幅L/S=0.5/0.5μm)にすることで、インターポーザーの大型化に対応した大容量伝送(大型化・微細配線)と低消費電力化(GX)を両立する材料技術・インテグレーション技術を開発します。
〈用語説明〉
- シリコンインターポーザー:内部に配線構造を形成したシリコンチップ
- RDL(Redistribution Layer):再配線層
- L/S(Line & Space):配線パターン幅/間隙
- SAP(Semi Additive Process):必要な部分にだけ金属配線を付加して形成する工法
- CMP(Chemical Mechanical Polishing):化学機械研磨
- ダマシン:絶縁膜に溝や孔を形成し、その中に金属膜を埋め込むことで配線を形成する工法
関連情報
「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業/先端半導体製造技術の開発(助成)」に係る実施体制の決定について(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO) Webサイト)
お問い合わせ先
広報課
電話:06-6967-1834
E-mail:koho-list[at]ml.omu.ac.jp
※[at]を@に変更してください。