最新の研究成果
新人看護師の離職率を抑えたい! 先輩を見て学ぶことは現場での成長を支える
2025年12月17日
- 看護学研究科
- プレスリリース
ポイント
◇新人看護師は、業務量の多さや経験不足、学校と現場のギャップなどにより強いストレスを感じ、離職率は10%超と高く、医療現場の重要課題となっている。
◇先輩を観察し学ぶ「モデリング行動」は、直接職場適応に影響するのではなく、適応行動を介して適応状態に至ることが明らかになった。
概要
臨床現場で働き始めて1年目の新人看護師は、業務量の多さや経験不足、学校で学んだ内容と現場の違いから強いストレスを受け、職場適応が難しく離職に至ることも少なくありません。日本では離職率が10%を超え、医療現場における重要な課題となっています。しかし、これまで新人看護師自身の行動は十分に解明されていませんでした。
大阪公立大学大学院看護学研究科の長野 弥生講師らの研究グループは、先輩を観察し学ぶ「モデリング行動」が職場適応にどう関わるかを明らかにすることを目的とし、378人の新人看護師のアンケート回答を分析しました。その結果、先輩の行動を取り入れることで適応行動が促され、職場適応が進むことが分かりました。この知見は新人看護師の離職防止や教育改善に役立つことが期待できます。
本研究成果は、2025年10月14日に国際学術誌「BMC Nursing」にオンライン掲載されました。
<長野 弥生講師のコメント>
新人看護師が安心して学び、働き続けられる環境づくりを支援したいという思いで研究を進めました。本成果が教育や研修に活かされ、医療現場の人材定着に貢献できれば幸いです。
掲載誌情報
【発表雑誌】BMC Nursing
【論 文 名】The Impact of Modeling Behavior by Novice Nurses on Workplace Adaptation: A Cross-Sectional Study
【著 者】Yayoi Nagano, Yasuko Hosoda
【掲載URL】https://doi.org/10.1186/s12912-025-03920-1
資金情報
本研究は日本学術振興会 科学研究費助成事業(科研費)[課題番号:20K19016]の助成を受けたものです。
研究内容に関する問い合わせ先
大阪公立大学大学院看護学研究科
講師 長野 弥生(ながの やよい)
TEL:06-6645-3544
E-mail:nagano-y[at]omu.ac.jp
[at]を@に変更してください。
報道に関する問い合わせ先
大阪公立大学 広報課
担当:谷
TEL:06-6967-1834
E-mail:koho-list[at]ml.omu.ac.jp
[at]を@に変更してください。
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