最新の研究成果
納豆の健康効果に新たな根拠 ~発酵過程で超硫黄分子が劇的に増加~
2026年1月14日
- 理学研究科
- プレスリリース
ポイント
◇納豆の発酵過程において、健康機能が期待される超硫黄分子※が大幅に増加することを発見。
◇微生物発酵が植物中の超硫黄分子の構成やバランスを劇的に変えることを、世界で初めて明らかに。
概要
超硫黄分子は、健康維持や病気の予防に役立つ可能性があるとして、医療や栄養分野で注目を集めています。中でも納豆は、超硫黄分子を豊富に含む食品の一つです。しかし、納豆菌による大豆の発酵過程で超硫黄分子がどのように作られているのか、その仕組みは明らかになっていませんでした。
大阪公立大学大学院理学研究科の居原 秀教授らの研究グループは、納豆の発酵過程で生成される硫黄化合物を網羅的に解析した結果、超硫黄分子の含有量が著しく増加することを明らかにしました。これは、納豆菌が大豆のタンパク質などを分解し、他の硫黄分子を超硫黄分子へと活発に変換していることを示しています。本研究成果は、微生物発酵が植物中の超硫黄分子の構成やバランスを劇的に変えることを世界で初めて明らかにしたものです。

本研究成果は2025年11月4日、国際学術誌「Nitric Oxide」にオンライン掲載されました。
納豆菌による大豆発酵(納豆製造)で、健康への寄与が期待される「超硫黄分子」が著しく増加することを初めて明らかにしました。納豆菌が、大豆に含まれる他の硫黄含有分子を変換して、超硫黄分子を生産している可能性が示されています。今後、本研究の知見を基盤とした納豆の新たな健康機能の解明が期待されます。
居原 秀教授掲載誌情報
【発表雑誌】Nitric Oxide
【論 文 名】Dynamic transformation of the sulfur metabolome during natto fermentation: Supersulfide omics study
【著 者】Tomoaki Ida, Shingo Kasamatsu, Mahiro Kuryu, Haruka Nitta, Wakana Nagamura, Hina Yoshida, Ayaka Kinno, Aoi Morishita, Takaaki Akaike, Hideshi Ihara
【掲載URL】https://doi.org/10.1016/j.niox.2025.11.001
資金情報
本研究の一部は、科学研究費助成事業(JP20K21256, JP21H02082, JP21H05263, JP22K06148, JP22K19159, JP24H02017, JP25K22334, JP25K02419, JP25K03036)などの支援で行われました。
用語解説
※ 超硫黄分子:アミノ酸のひとつであるシステイン(CysSH)に過剰な硫黄原子が 1 つ付加したシステインパースルフィド(CysSSH)や、複数付加したシステインポリスルフィド(CysS[S]nH, n > 2)などの、硫黄原子が直鎖状に複数連結した構造を分子内に有する分子の総称。超硫黄分子の合成機構は、大腸菌などの原核生物から、植物や菌類、ヒトやマウスなどの哺乳動物を含む真核生物まで生物種普遍的に保存されており、太古の地球から生命を支えてきた重要な要素として、その普遍性や重要性の点から近年注目を集めている。
研究内容に関する問い合わせ先
大阪公立大学大学院理学研究科
教授 居原 秀(いはら ひでし)
TEL:072-254-9753
E-mail:iharah[at]omu.ac.jp
※[at]を@に変更してください。
報道に関する問い合わせ先
大阪公立大学 広報課
担当:久保
TEL:06-6967-1834
E-mail:koho-list[at]ml.omu.ac.jp
※[at]を@に変更してください。
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