最新の研究成果
北海道十勝地域の防風林では、植林後2~6年の若齢林が絶滅危惧種を含む草原性チョウ類や多様な開花植物の生息環境として機能することを解明
2026年5月21日
- 農学研究科
- プレスリリース
概要
大脇淳(桜美林大学)、速水将人(北海道立総合研究機構)、榊原正宗(兵庫県立大学大学院)、中濵直之 (現所属:大阪公立大学、旧所属:兵庫県立大学 兼 兵庫県立人と自然の博物館)らの研究グループは、防風林を伐採・植林してから何年まで草原性の植物やチョウ類の生息地として機能しうるかを明らかにしました。
植林の伐採地は一時的に草原性生物の生息地になりうることが知られていますが、草原性生物の生息地として何年持続しうるのか詳細な年数は不明なままでした。本研究では、伐採後に植林して2~12年が経過した若い植林地で開花植物とチョウ類を調査しました。その結果、草原性チョウ類や開花植物の多様性は伐採後6年までは高いが、それ以降は急速に減少すること、絶滅危惧の草原性チョウ類も植林後6年までの若い植林地を利用することを解明しました。
本研究は、定期的に植え替えられる防風林において、草原性生物を保全する具体的な管理手法の構築に貢献する重要な成果です。草原性生物は、近年の草原の減少と関連して急速に姿を消しつつあります。植林後6年が経つ前に、植え替えられた若い防風林の周辺に新たな伐採地を作ることで、防風林としての本来の機能を維持しつつ、防風林景観において草原性植物やチョウ類を持続的に保全できることが期待されます。本研究成果は、2026年1月19日、国際誌「European Journal of Entomology」に掲載されました。

図:本論文の概略図.若い防風林は草原性の植物やチョウ類の生息地として機能.イラストは森林業漫画家の平田美紗子氏.
掲載誌情報
【発表雑誌】 European Journal of Entomology
【論 文 名】 Clearcut areas aged 2-6 years in shelterbelts support high diversity of butterflies and flowering plants, including endangered grassland butterflies, in the Tokachi District of Hokkaido, northern Japan
【著 者】 Atsushi Ohwaki(大脇淳), Masato Hayamizu(速水将人), Masamune Sakakibara(榊原正宗), Naoyuki Nakahama(中濱直之)
【掲載URL】https://doi.org/10.14411/eje.2026.001
報道に関する問い合わせ先
大阪公立大学 広報課
TEL:06-6967-1834
E-mail:koho-list[at]ml.omu.ac.jp
※[at]を@に変更してください。
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