研究科長/学部長挨拶

研究科長/学部長挨拶

進化し続ける大学で、
新たな看護の知の創造に
チャレンジしましょう。

研究科長/学部長 田中 京子

研究科長/学部長 田中 京子

 

少子高齢化の進展による人口構造の多様化、医療技術の進歩、 国民の医療に対する意識の変化など、日本の医療を取り巻く環境は変化してきています。人々の保健・医療・介護ニーズは増大し、多様化・複雑化していく中で、看護職の果たす役割はますます重要になっています。

看護は、人間の生・老・病・死のすべてにかかわり、対象となる個人、家族、地域に暮らす人々がどのような健康状態にあっても、またどのような発達段階や生活レベルにあっても、かけがえのない生を生きる存在として〝人間〟を総合的に見ていきます。また、「医療」の視点だけではなく、生きていく営みである「生活」の視点を持って、〝人間〟をみることに専門職としての価値をおいています。私たち〝人間〟は、生物であり、心をもつ存在であり、 社会の中で生活する存在でもあります。看護ではそのような人間の〝健康〟について考える時、「病気の状態」と「健康な状態」の2つに分けるのではなく、連続体であり常に変動する現象として〝健康〟を捉えます。また、看護はアート(Art)であり実践の科学(Science)であるといわれています。看護を実践するには、豊かな人間性と科学者としての目を持つことが求められます。看護職は対象となる人間と信頼関係を構築して、その人の生い立ちや生活環境など様々な背景に着目しながら、健康の保持・増進や健康回復、時には安らかな死に向けて最適のケアを提供できるように、専門的な知識や技術を活用していきます。

大阪公立大学看護学部では、このように人間を多角的に捉え、人間のもつ痛みや苦しみにより添いながら、科学的な専門知識・技術を基に健康上の問題解決に向けて行動できるようになるための学びを深めます。また、緩和ケアや国際看護、災害看護など、看護を広く社会的視野からとらえる学びを展開していきます。さらに、看護学研究科においては、高度医療に対応する能力や、地域の看護において自ら判断できる能力などを備え、関連職種との密接な連携のもとで協働して看護を実践できる専門職者を育成します。教師陣は、実践経験豊かな先生方が多く、研究テーマも多岐にわたっており、大学院博士前期課程・後期課程も併せもっていることから、看護の実践知を構築していく上で最適の学習環境を備えています。

2つの大学が統合したことにより、それぞれがもつ強みが相乗的に発揮されて、教育、研究、社会貢献におけるさらなる発展を遂げるべく、看護学部・看護学研究科は進化していきます。健康に対して興味・関心のある方、人と関わることが好きな方、自分を活かして保健・医療の場で貢献したいと思われる方は、是非、新たな看護の知の創造に向けて、ともにチャレンジしていきましょう。